2018年12月14日金曜日

過剰反応社会

 先日、凜ちゃんファミリーの町内会の餅つき大会があったが「お餅はこの場で食べて持ち帰らないでください」と言われた、と娘夫婦から聞いた。
 主催者が間違いなく100%保健所の指導に従ったのだろう。
 私の町内会でもそうだったが、私は「そんなことを保健所に尋ねることが間違いだ!」と言って、結局「本音と建前」みたいなことにした。

   ”貴方が保健所職員だったらどうします”
 管内全住民はもちろん、全町内会の実情など判りもしない。(そんなことは出来もしない)
 そこで、もし無茶なことがあって食中毒が発生し、「保健所がかまわないと言ったから。どうしてくれる」と言われたら、テレビの前で30秒は頭を下げて、担当職員を処分して、「再発防止に努めます」と涙を流さねばならない。というのが平成最後の年の世間の常識らしい。
 ただしそれを避ける手は一つある。
 持ち帰り厳禁、その場で食べるよう指導することである。「私はいけないと指導したんですよ」だ。

 あるところでは、お餅つきという行事はするにはするが食べるのは購入したお餅にしている。嗚呼。

 だとすると、問題は責任を恐れた町内会役員でもなく保健所職員でもない。
 ”何かあったら””誰かのせいだ”というクレーマーと、そういう姿勢を肯定するマスコミが根源ではないだろうか。
 いや、クレーマーというのは、畢竟圧倒的な現代日本人の”卑怯な根性”か。
 気配りとダンドリと常識で克服できるものごとを忌避する国民に未来はない。
 一見、細部に気が付き注意万端気配りをした意見のようだが、一皮むけば「責任はとりたくない」根性だと私は思う。
 この国ではどんどん常識が崩壊していっている。
 男気(女気)はないのか!と世の片隅で年寄りは怒っているのだ。

 榎本博明著『「過剰反応」社会の悪夢』(角川新書)は世の常識人必読の書であろう。
 このタイトルの重要性が理解できないなら、己が常識力が相当屈曲乃至減退していると思うがいいだろう。
 このままでは社会から常識が消えていく。

   餅食うなと神も驚く平成ゆく

2 件のコメント:

  1. 少し先鋭、攻撃的ではありますがほぼ同感します。世の片隅で年寄りは怒っているぞ、あの戦争法のときのように、声を上げないと彼奴らを「あ~国民は諦めた」と思わせてしまうのだから。

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  2.  「ほぼ同感」していただきありがとうございます。
     少し攻撃的なことをあえて言いますと、私が例えたクレーマーは民主主義を求める人々の中にも見受けられます。
     正当な指摘とクレームは紙一重のところがあります。
     いろんな意味で民主陣営の人々は大人の対応が必要です。
     多数者革命は常識人が主導しなければなりません。

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