2025年7月13日日曜日

酷暑の中の学習会

    12日に大阪国公退職連の学習会に行った。テーマは『現下のコメ・農業問題』。講師は労働組合でいうと元全農林のOB。
 講演の内容はしかるべき人がまとめるだろうから順不同で感想を書くことにする。

1 今回のコメ不足は単なる買い占めでなく、絶対的なコメ不足だから短期的には別にしても長期的には高騰は続く。

2 原因はいろいろあるがその一つに「需給見通しを見誤った」というのには驚いた。私などは国の統計はいろいろあるが「農林統計だけは桁が2桁3桁違うほど正確だ」という昔の知識があったから。おびただしい人員削減と民間委託によって統計の精度が極端に落ちているらしい。

3 農水省の施策というよりも財務省の強烈な政策、それはコメで大儲けを考え、輸入米もコントロールしようとする大商社(つまり財界)の要望であり、アメリカ政府、アメリカ財界の要望によるものである。政治でいえばこの間の自公政権の責任は大きい。単純な財務省解体論は方向を誤る。

4 JAには民主的でなく批判すべき点もあるが、「日本の協同組合を潰したい」はアメリカの大政策であって、単純な「犯人は農協だ」論に組してはならない。

5 実質食糧自給率はカロリーベースで9.2%(鈴木宣弘東大・院教授)であり、キャッチフレーズでない農業の増産体制に今すぐ舵を切る必要がある。参議院選挙公約でも口先だけでない政策を「推す」ことが大切。口先で解決するような簡単なものではない。

6 消費者は、食糧危機や災害対策も兼ねて、10日分~1か月分ぐらいの備蓄をして、古いものから消費し、また補充していくローリング・ストック運動も大切。共同家庭菜園や休耕地耕作などにも挑戦を。

 ・・・・これ以外にも感想はいろいろあるが、とりあえずここまで。
 あまりの未来への絶望感に嫌になったが、少し目先を変えて「気候温暖化で北海道でコメが増産される見通しはないか?」と尋ねると、実際にそういう政策は大いに検討されているらしい。でも「ゆめぴりか」の増産前に日本列島は沸騰してしまいそう。SDGsですかね。

2 件のコメント:

  1. 私個人としてはコメ問題にそれほど興味はなかったから「こんな暑い中、いろいろと忙しい時期にこんな学習会?」という気でいたが、このブログ記事を読んだ方々から多くのメールをいただき、誰もが何となく釈然としないニュースの中でそれなりに理解していたが、そんなに大きな問題なのだと考えを改めたというような意見をいただき、私自身考えを改めている。講演自体はもっともっと内容も豊富であったし、枝葉のことでいえばカリフォルニア州の大規模火災と水不足が輸入米に大きな影響を及ぼす可能性があるなど、目から鱗の話も少なくなかった。面白かった。

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  2. 減反政策、一次産業軽視政策の見直しをしないと。(政権交代)異常気象は戦争によるものです。爆撃による。
    (軍事演習も含む)

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