2018年7月9日月曜日

オウム7人の死刑執行

   七月六日、オウムの麻原彰晃こと松本元代表ら七人の死刑執行というニュースを聞いて思い出したことがある。
坂本弁護士一家殺害事件の折り、坂本弁護士が既に公然とオウムと争っていたことや、事件現場にオウムのバッジが落ちていたにも拘らず神奈川県警は、国労弾圧事件や共産党幹部宅盗聴事件で警察を追及していた自由法曹団・坂本弁護士ゆえにだろう、異常に捜査をネグレクトした。この意図的なネグレクトがなかったなら後の大量の死者や被害者の発生が防げたのは間違いない。

また、山梨県上九一色村(かみくいしきむら)の共産党竹内村議は一貫してオウムの危険性と違法行為を追及し、松本サリン事件の折も「あれはオウムだ」と訴えていたが警察はその声を聞かなかった。その挙句が地下鉄サリン事件だった。
残念ながら結果は実らなかったが、このようにタブーなく真実のために闘い抜いた共産党員の奮闘は記憶しておきたい。

順不同で最後は松本サリン事件である。
私自身はけっこう新聞を読み、当時オウムを追っかけていた週刊誌の記事も読んでいたので「これはオウムだ」と考えた。
しかし、新聞テレビが洪水のように河野さんが怪しいという「証拠」を流すものだから、オウムはオウムとしてこれは「河野事件」かも知れないと半分以上信じてしまった。痛恨の記憶である。”マスコミ挙げての世論誘導は可能だ、現代人といえども人間は騙される”と心の底から反省した。
それゆえに、その後のニュースは「これは松本サリン事件」と同じ報道ではないのかと自問することにした。その折の羅針盤は赤旗になっている。

識者の声を聞くと、今回の死刑執行は井上嘉浩死刑囚の抹殺が目的ではないかという意見がある。
物的証拠の乏しいオウム事件では、その多くが証言に依っているが、そのまた多くが異常に井上証言に依っている。井上に対して司法取引に似た甘言又は洗脳で証言させ、事件のストーリーを仕立て上げた可能性が指摘されている。
その井上が「事実を明らかにしたい」と再審請求した途端に東京拘置所のオウム関連の死刑囚を全国にバラまき、そして今度の死刑執行というのではないかという。
この説を全面的に論評するだけの知識は私にはない。そのため、そういう意見があるという紹介に留めておく。しかし、検討してみる価値はあるようだ。

  豪雨一過熊蝉つれて油照り

   今日から怒涛のイクジイ週間が始まる。そして今日はミニコミ紙の原稿締切日。きっと最後の原稿がドドッとくるだろう。四の五の言っていられない。言い訳が通じる年齢ではない。・・・と気合を入れている。

2 件のコメント:

  1.  あらためて坂本弁護士一家殺害事件の事を考えて黙とうしました。サリン事件の被害者遺族が「事件のことを何も語らせず処刑したのは残念だ」と語っておられたが、、、闇から闇へとの流れが怖いと思います。

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  2.  ひげ親父さんコメントありがとうございます。
     坂本弁護士一家殺害事件は平成元年のことですから29年経ったことになります。
     つまり、戦後一期生の私が戦争を「遠い歴史的事項」と感じるように、今の青年にとってはオウムは歴史書の1頁でしょう。事実、若者の入信者が増えているとニュースは伝えています。
     何事につけ、ほんとうに歴史を振り返り、それを継承するために記述することは大切なことです。
     若い頃「機関紙中心の組合活動」と習いましたが、誠実に努力を続けたいものですね。

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