2014年3月31日月曜日

岩波新書『信長の城』を読む

著者(ネットから)
  テレビや模型の世界にはマニアックな城好きがいて感心?(半ばあきれた感じが)するが、私はあまり興味がなかった。
 ただ、近所の奈良大学にちょっとユニークな千田嘉博先生がいて、その城郭等に関する講義を何回か聞いていたことと、その先生がテレビのその種の番組にちょくちょく顔を出していたことぐらいが記憶にあった。
 だから、「ちょっと乱読してみようか」という調子で、本屋の書架のこの本(千田嘉博著「信長の城」岩波新書)を手に取っただけなのだが、と同時期に「千田嘉博教授が奈良大学次期(4月~)学長に」というニュースにも接して「へ~」という感じも受けていた。
  そんな時に、同大学でモンゴルの城跡の発掘調査報告があるというので、それならと、この本を持参して参加し、ついでに、千田嘉博次期学長に「城への道は楽しい道」と添え書きの上でサインをいただいた。
 このあたりがマンモス大学でない中規模大学の好いところだ。
 
 そこで、まるで一端の書評のようなタイトルをつけてはみたが、私には基礎的な知識もないし、それ故に一切の既成概念もないものだから、内容の全てが新鮮だった。それ以上にここに書けるものはない。
 ただ、中世の城を遺跡等から復元した諸説にも、驚くほど多くの疑問や異論のあることを知って驚いた。
 著者はそれを、事実を挙げて大胆に指摘し対案を提起している。
 「そこまで言っていいの?」と言うほどだが、それが研究・学問の世界の正しい姿だろう。
 後半は、単に城の形のことでなく、信長が安土城設計に込めた近世に繋がる革命的ともいえる思想が、その城づくり町づくりに現れていることの数々を展開されていて、ぐいぐいと引き込まれるように読み進んだ。
 門前の小僧には遠く及ばないが、大学の近くに住むのは悪くない。

2 件のコメント:

  1. お城の研究といば渡辺武さんだと思っていました。同先生が秀吉が朝鮮を侵略したときに築いた城を案内してくださるツアーがあり韓国まで出かけたことがありました。韓国の人は侵略の跡なので撤去したいというのが多数であるが侵略は許せないが歴史遺産であるのと保存に力を尽くしている人もおられました。

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  2.  大坂城の渡辺武さんも少し愉快な学者ですね。
     そして、戦国時代のお城を好きな人たちは武将などもコスプレもお好きなようですね。
     コメントありがとうございました。

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