2014年3月23日日曜日

大草原の震える風

  ホーミーをテレビで観て聴いた人は多いだろうが、今般私は馬頭琴に乗せて生で歌うのを聴く機会を得た。
 結論を先にいえば、圧倒されるような迫力がある美しい歌声で、ちょっとしたカルチャーショックを受けた。
 太鼓などと同様、この生の空気の震えが感じられないと、この迫力は伝わらないのではないだろうか。
 テレビで知っていたものとは別のもののように感じられた。
 低音の歌の一部に浪曲に似た声を感じたが、それ以外は未体験の歌声で、いくら説明されても一つの口から二つ以上の違う声が出てくるのは信じられないがほんとうだった。。
 モンゴル(韃靼)の西の端アルタイ山脈の麓オイラト(瓦剌)族の地が発祥の故郷らしいが、想像を膨らませるとその地は幾多の民族が西に走り東に移動した場所である。
 蒙古斑といい、日本語文法のツングース語との近似性といい、縄文以前、遥かな昔この列島の原日本人もここを駆け抜けた時の記憶の深層が、珍しいけれども親しみを感じさせる理由かもしれない。
 それなのに、その地の地中に日本の核のゴミを100万年管理させようという話が進んでいる。
 大草原を震わすホーミーや口琴の音色が悲しく聞こえてくる。

2 件のコメント:

  1. 我が家の息子は子供の頃、ホーミーが出来ました。かなり本式なように聞こえましたが、声変わりの時期だったのかな。

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  2.  驚きのコメントをありがとうございます。大人になってからはできないのですか。今でもそのコツを忘れていないのでしたらモンゴル勤務の際に有力な武器になるでしょうに。

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