堺市長竹山修身著「訣別―橋下維新を破った男」(角川書店)を読んだ。
抜群の知名度と自民、公明の支援で橋下大阪府知事が誕生して1年強の平成21年、その橋下知事の支援を受けて「泡沫候補」が思わぬ当選を果たし、それから橋下不敗神話がスタートした。そして、その4年後にその不敗神話を破った男である。
4年前には大阪維新の会も大阪都構想も存在していなかった。
選挙公約に基づいて粛々と政策を推進していた竹山市長に対して、「堺を大阪都に吸収する大阪都構想」を打ち出すなど変質したのは橋下氏達であった。
だが、「大阪維新の会の全面バックアップで市長になったんです。市長になった瞬間に、堺市は都構想は嫌だっていう話になって」(朝の報道番組で辛坊治郎キャスター)というような事実に反する強力な「裏切り者」キャンペーンが展開された当事者が、折々の維新の動きを赤裸々に語っているところが生々しい。
そして、堺市長選挙は維新にとっての「堺ショック」と呼ばれるようになった。
これによって維新の迷走はさらに深まった。
3月23日の大阪市長選挙は、投票率が大阪市長選史上最低の23.59%(前回60.92%)、橋下氏得票数は377,472票(前回750,813票)、無効票が67,506票、無効率13.53%(前回0.69%)、3人の対立候補中では都構想反対と言った候補が最上位という結果だった。
朝日の見出しを拾うなら「橋下流に抗議の白票」「橋下維新の退潮鮮明」であることは明瞭だろう。
だが、傍観しているだけでは彼らは退場しない。
大阪の事実をもっともっと明らかにして来年12月には知事と市長と連れ立って退場してもらわなければならない。
本の中の辛坊治郎の件(くだり)にもあったように、維新の横暴を許した責任の一端は在阪テレビ局を筆頭とするメディアにある。
悔しいけれど、マスメディアの果たす影響力は桁違いに大きい。
ならば、真実を広めようと思う人々はそれに打ち勝とうとする気迫がいる。
何度も言うようだが、「私はネットは苦手だ」などと自慢していてはならないと思う。
勉強になりました。角川書店の「訣別」を読んでみようと思いました。来年の12月の大阪の選挙結果が、維新の石原共同代表の言動も含め、日本の将来に大きく影響すると思います。
返信削除わざわざ購入していただくほどのこともないように思います。
返信削除ああ言えばこう言うの橋下氏は「秋には住民投票をする」と。ところが、毎日新聞24日大阪夕刊は「内規違反は明らか・・情報公開制度に詳しい上脇博之神戸学院大学教授の話」とのタイトルで「区割りは市民には非常に重要で、議論経過も大きな判断材料になる。会議を非公開にするのは一定理解できるが、検証のためにも議事録は不可欠だ。議事録を残していないのは極めてずさんで、内規違反も明らかだ。市は部分的にでも録音データを公開すべきだ。」と重要な指摘をしている。
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