2014年3月19日水曜日

彼岸の入り

ネットから
  お彼岸の初日(18日)の朝にお寺詣りに出かけた。
  日本霊異記風に言えば「念仏を想って不思議なことが起こった話」とでもなるのだろうか、出かけてすぐに聞きなれない鳥の声が降ってきた。
 天候も悪く、ムクドリの群れのようにも思えたが声が全く違うので、もしやと凝視すると連雀(レンジャク)の群れだった。
 レンジャクは1年に1度出会うかどうかの野鳥だから、これは「好い志で出かけた結果」だと素直に仏に感謝した。
 しかし、こんな時に限ってカメラは持っていない。
 もたもたとスマホを向けた時には飛び去って行っていた。
 とかく現世とはこういうものだろう。
 シャッターチャンスと神仏とは関係がない。
 その代わりにネットにあった写真を掲載する。

 出かけたついでにお寺詣りのダブルヘッダーだとばかりに四天王寺さんにも寄ってみた。
 経木を書く店が数えきれないほど並び、引導鐘はひっきりなしに鳴り続け、四天王寺のお彼岸は上方落語の「天王寺詣り」そのままの賑わいで、初詣のような、十日戎のような、夏祭りや秋祭りのような雰囲気が充満していた。
 お詣りもそこそこに、がらくた市を見て回り、つまらん木の台を数百円で買い求めて帰ってきた。

 がらくた市の延長で、いつもの古書店へ寄ってみようと上六まで行ったところ、目的の「天地書房上六店」は閉店になっていて、これには本日の行程の最後にがっかりした。
 新書、古書を問わず書店の減少ということは文字離れのせいだろうか。
 古本屋はその町の文化を表すバロメーターだと言われていないか。
 なので、大阪の文化が劣化していっている証左のように思えてならない。
 それとも、庶民の懐が冷え切っているせい?
 私は大阪府市政を顧みて、大阪の中心街から大学を郊外に移転させたこと、留めるための有効な対策を打てなかったことが街づくりの上で大失敗だったように感じている。
 この地(上本町)には、司馬遼太郎も在籍した大阪外大があった。

4 件のコメント:

  1. 上六の「天地書房古本屋」は上八の十数年来かかりつけの歯医者に行く時間調整でよくヒヤかしてました。2月下旬に行ったら末で閉店と張り紙がしてあり棚以外の本の片づけが始まっていました。500円で「釈尊」の本と50円で「保育社カラーブック高野山」を買ったら50円まけてくれました。棚にズラット並んでいた「大黒さん」の置物はどうなったのでしょう。今度ビックカメラの横の「本店」を覗いてみるつもりです。

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  2.  私もあの大黒さんが気になりました。2月に行っておれば「どうするんですか?」と聞いたでしょう。しかし、譲りますよと言われても困る量でした。
     

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  3. 大学を郊外に移転させたのは大失敗ですね。学生たちは郊外から都心を通って郊外の大学へ行くと、阪大の先生もよくぼやいていました。北大は札幌の駅前ですし、京都も町の中で頑張っています。今さら、地価高騰の中で移転費用を捻出することもできないでしょうが、長期的視点の欠けた街づくりのツケが回ってきていると感じます。大阪都構想も同様の類です。

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  4.  mykazekさん、「都構想も同様の類」との指摘、激しく同意!!
     いわゆる歓楽街というものも私は嫌いな方ではありませんが、それも、真面目な勤労者の生活、市民という核があってこその街づくりだと思います。学生街も広い意味でのそれでしょう。
     そこのところを踏み外すと、カジノで賑わいを!とか、原発や基地の黒い札束に依存した不健康な街になるのだと思います。
     いま大阪に必要な合言葉は「頭を冷やせ!」ではないでしょうか。

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