その前に属人器のルーツだが、平城京で発掘された碗(土器)に「これは〇〇のものだ」とか「〇〇の役所のものだから持って帰るな」というのがあるのを属人器のルーツとする説もあるが、私は少し違うと思う。
それよりも、お水取りの籠りの僧や禅宗寺院の修行僧に見られる箱膳の方がそれではないか。
箱膳はちゃぶ台登場以前の個人ごとの机であり食器の収納箱である。朝ドラの「ばけばけ」でもそうだから、明治は当然、戦後少しまで基本のスタイルだった。
ちゃぶ台(卓袱台)後は箱膳そのものはなくなったが、箱膳時代の感覚が属人器として残って今に至っているのだろう。
その属人器の一つが箸であるから、箱膳がなくなっても即共用器扱いにするのには抵抗があったのだろう。属人の箸は属人の箸箱にしまうという時代が戦後少しまであった。
弁当箱とセットの箸箱はご存知だろうが、あれのもう少し落ち着いたものである。家庭で毎食時に使用する箸の箸箱だ。
そしてそれはテレビで見る修行僧の箱膳のしきたりのように、基本的には食事の最後にお湯やお茶と沢庵(たくあん)で清掃?し、布巾のようなもので拭いて即なおすのであった。だから、箸箱の時代は箸も食事の最後に清掃?して、そのまま箸箱に収納した。夫婦の箸を一緒に入れる箸箱もあった。
その後、衛生上から箸も茶碗も水で洗うのが普通になるとわざわざ入れておく箸箱は、弁当以外では無用の長物となったから、こういう箸箱は「知らない」人も増えたに相違ない。そういえば、わが子たちでさえ「知らない」だろうと思う。
属人器を書きながら微かに覚えているそういうことを書いておきたくなった。
箸、飯茶碗、汁椀、湯吞、・・貴家の属人器はどれですか?

0 件のコメント:
コメントを投稿