2023年1月25日水曜日

ゆずください

   孫の夏ちゃんのために花柚子を採っていたら「こんにちは」という就学前と思われる小さな子二人がいたので「これは何か知っている?」と匂いを嗅がすと「柚子」と言ったので驚いた。もちろんその柚子をその子たちにあげた。

 しばらくして屋内で本を読んでいたらインターホンが鳴って、妻が応答すると「柚子ください」と4人の女の子が声をそろえた。

 近頃は「知らない人が話しかけてきたら逃げなさい」ぐらいが標準らしいから、子ども達が「ください」とインターホンを鳴らすのにはほんとうに驚いた。

 わが孫の凜ちゃんはそのような対応ができないから、じいちゃんばあちゃんは、何年ぶりかで小さな子どもと対等に付き合った。
 「なぜこの家にはこどもがいないの」「子どもはいたけど大きくなったのよ」「へ~」というような感じだった。

 こうなるとただあげるだけでは面白くない。小さな脚立を持ち出して、その上に登らせて、私がハサミで切る柚子を手で持って収穫の手伝いをさせた。

 今度この子たちが来たら、キンカンを食べさせてやろう。
 じいちゃんの仕事の予定がまた増えた。
 摘んで食べられる木を植えてみようか。隠居はその先だ。

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