国立天文台によると、今夜20時48分ごろから部分月食が始まり、21時51分から23時08分ごろまで皆既月食になる。ピークは22時29分で、赤銅色の月が見られる。
先日から廣瀬匠著『天文の世界史』を読んでいる。
2000年以上前のインドでは、太陽と月はほとんど同じ大きさで地上から同じ距離だけ離れているという説があり、仏教にも取り入れられて中国や日本にも普及したらしい。
一方、古代ギリシャのアリスタルコス(前310頃~前230年頃)は、月の満ち欠けは太陽の光の反射による、ところで完全な半月のときの月と太陽の角度は90度よりも少し小さい、(数字の誤差は小さくないが)よって太陽は月の20倍大きい、地球は月の約3倍だという地動説を説いていたらしい。驚きだ。
後のキリスト教原理主義というか教条主義には気が塞ぐ。
さて、日食は太陽と月が重なって見える場所にいなければ発生しないが、月食は場所に関係なく世界中で同時に起こる。ということは時差や経度差、緯度差を計算できる。
アラビアのアッパース朝七代目カリフのマームーン(786~833)は、首都バグダードと聖地メッカで月食を観測させ、メッカの正確な方角を知らしめたという。昔から偉い人は偉かったと感心する。
天文というと、古代ギリシャやアラブ、インド、中国、マヤであれほど星や星座に纏わる物語があるにも拘らず、日本の古代にはほとんど星が登場しないのは不思議だといわれている。
それは星を死者の魂と考え、故にあえて見上げないようにしたという推測がある。
そんなことは忘れて、竹取物語の後裔は今夜は夜空を見上げたい。
林完次著『宙の名前』には、月食や日食は、人間に代わって月や太陽が病んでくれるとか、罪悪を背負って龍に呑まれるという説が紹介されている。
静岡や神奈川のある地域では、月食を拝むと病気にならないとか、タライに水を汲んで月食を拝むと病気が治るといわれているとあった。
北風にただ歩きたし日脚伸ぶ
バラやんです。久しぶりにコメントさせていただきます。1月12日私の尊敬していた姉が亡くなりました。71歳で生涯を閉じました。末期のすい臓がんで手術もできない状況でも、ずっと働き続け昨年の12月23日まで働き続けました。葬儀には、びっくりするほどたくさんの労働者の方々が見送って下さいました。
返信削除暗い話はここまでにして、コメントさせていただきますのは、本の写真に「村山斉」の名前があったからです。私が宇宙に関心を持つようになったのは、村山斉の「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」発行・集英社インターナショナル 発売・集英社 定価1155円(税込み)2012年6月11日第四刷発行です。何回も読みましたが、お陰で頭が宇宙的になりくよくよしなくなりました。宇宙が膨張している関係で、私たちの住んでいる天の川銀河は隣のアンドロメダ銀河とぶつかり、大きなアンドロメダ銀河に吸収されます。しかし、50億年ほど時間がありますから、心配しなくても大丈夫です。
今日は少し天気が良くないですが、月食を拝みたいです。
お姉さんが12月23日まで働いておられた話は胸を打ちます。ご愁傷さまです。
返信削除さて、本の写真の帯の名前ですね。私は村山斉は読んでおりませんが、バラやんの頭を虜にしたのだから面白そうですね。
今夜は天気が下り坂らしいですが、一瞬でも赤銅色が見えたらいいですね。