2018年1月27日土曜日

口を噤(つぐ)む

   フェースブックが時々「1年前に貴方が投稿した記事」をアップしてくれる。
 今回それがあったのが、2017125日の『口を噤(つぐ)む』という記事である。
 その記事を読んで、我ながら良いタイミングで良い記事を書いたと納得したので、恥かしながら要旨を再録する。

   鶫(ツグミ)の名前の由来については次のような説がある。
 ・・・冬鳥であるツグミは当然のことだが夏が近づくと日本列島からいなくなる。そのことをよく知らなかった先人は鳴き声が聞こえなくなった理由を、「この鳥はきっと夏には口を噤(つぐ)むんだ」と解したので「鶫(ツグミ)」と名付けたという。ツグミには迷惑な誤解であった。


   さて、通常国会が始まったが安倍首相が虚構の絶対多数の内に!と、憲法改正を本気で強行する意思を明らかにしたことは重大だ。
 「どこを変えるかは議論してほしい」「とにかく改正することだ」という暴言をシャーシャーと公言している。
 これも「ポスト真実」のひとつである。なぜなら自民党総裁である安倍首相の腹案が「自民党憲法改正草案」であることは疑いがない。

 だから、ほんの一例をピックアップするだけでも・・・、
 国民は、気概をもって国を守ること(前文)
 自由と権利は、公益と秩序の範囲内でのみ認める(12条、13条)
 公益に反する表現活動は認めない(21条)
 総理大臣は、必要と思ったときに「緊急事態宣言」を発して、国会で審議せずに国民の権利と自由を制限できる(98条、99条)
 日本の国民は、新しい憲法に従うこと(102条)・・・・等々。

 そして本命が、第2章「戦争の放棄」を「安全保障」と変え、92項を削除し国防軍の新設にあることも疑問の余地がない。
 
 2017年、憲法改悪反対の声を上げないと、為政者は「反対の声は少ない」とシャーシャーというに違いない。
 ツグミが命名で味わった屈辱を日本国民が味わうようなことがあってはならない。(再録おわり)

 2018年、ほんとうに正念場になってきた。
 安倍首相がマスコミ幹部や少なからぬ芸能人を頻繁に酒席に呼んだことは有名だ。
 国民投票は公選法の適用がなく、マスコミを(金を)使い放題という仕組みにされている。
 北の脅威とミサイル訓練、天皇代替わり、そしてオリンピック、大手広告代理店とマスコミのシャワー・・・首相は本気だし勝算ありと考えている。布石は着々と打たれている。
 口を噤んでいたら取り返しのつかないことになる。

 安倍首相は、施政方針演説や代表質問答弁で「憲法改正の必要性や内容、時期は国会や国民的議論の深まりの中で決まっていくものと考えている」と、まるで他人事のように木で鼻をくくったようなことを言い、それを受けてマスコミは「改憲にはあっさりと触れただけ」と「安心ムード」を振りまいている。
 しかし安倍総裁は22日の自民党両院議員総会で「いよいよ実現する時を迎えている」と宣言して国会に向かったのだ。
 どちらが本音かは一目瞭然だ。
 麻生副総理が「憲法改正はナチスに学んで〔知らない間に〕実施するのがいい」と言った本音がほんとうに進んでいる。

     カマツカの朱い実は果て冬極む 

2 件のコメント:

  1. 「後顧の憂い」なきよう、今声を上げ続けることが大事かと思いました。
    秀句ですね。冬の寒さが伝わります。僭越ながら、「冬」を「寒」と
    すれば尚一層寒さが伝わるような気がします。

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  2.  ひげ親父さん、コメントと的確なご指導ありがとうございます。「寒」がいいですね。

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