2018年1月25日木曜日

内蔵助氷河

   富山県立山カルデラ砂防博物館などによる調査団が、今般新たに国内の3箇所の雪渓が実は氷河であると発表し、その結果日本には計6か所の氷河が確認されたと新聞に載っていた。そのひとつが内蔵助氷河である。内蔵助の読み(ふりがな)は大石内蔵助で有名なように「くらのすけ」である。

 娘がほんとうに小さかった頃、ファミリーで立山登山をし内蔵助小屋に泊ったが、その小屋のすぐ横にあった雪渓がそれである。
 余談ながら、当時はワープロソフトで「くらのすけ」と入力しても「内蔵助」と出ず、「くらのすけ」と読めない若者もいると小屋のオヤジが嘆いていた。今は普通に「内蔵助」と出る。

 写真のとおり、素人目に見てもカールであり、過去に氷河が削った谷であることは一目瞭然だが、今回解ったことは、この雪渓の下に日本最古である1500年~1700年前からの厚さ30mを超える氷の河が今もあり、それが年間4.14cm動いている(流れている)という。
 「それがどうした」と言われると辛いが、こういうタイムスパンの話は気分が雄大にならないか。畏怖の念が湧かないか。

 同時にここは、わがファミリー登山の約2か月後に、10名のパーティー中8名が低体温症で遭難死亡したところである。(我がファミリー登山は7月下旬で、遭難事故は10月初めだったと思う)
 天候が回復した翌日には内蔵助小屋のほんの目と鼻の先で何人かが死亡していたという。
 霧(雲の中)の場合、ほんとうに数メートル先が全く見えなくなるから、あと数メートルの希望を信じていたら助かっていなかったかと思ってみたりした。
 私自身霧の中で心細くなったとき、一瞬の風により目の前に山小屋が現れた経験がある。

 家族の登山と大遭難のニュースで記憶に残る立山内蔵助小屋の周辺だ。
 立山は、室堂までバスで行けるという「お手軽」コースに見えるが、そこは1700年の歴史を秘めた氷河を抱く大自然の地でもある。
 内蔵助氷河を見たい方は、安全計画でアタックしてもらいたい。

 本白根山の鏡池付近の前回の噴火は約3000年前だという。
 なので、噴火予知どころか噴火速報も出せなかった。
 日本人は「自然を制御できる」などとユメユメ思わない方が良い。
 自然に対してもっと謙虚であるべきだ。

     火の島に原発並べ花見酒

0 件のコメント:

コメントを投稿