2017年7月8日土曜日

Imagine イマジン

 朝ドラの『みね子』は同級生である。
 その朝ドラ、みね子の心の声でいうと、「お父さん、この2週間はビートルズに占領されたみたいです」(ここは奥茨城弁で読むのがよかっぺ)。
 私も、中学生のときに友人のM君がある朝、「ビートルズ聞いたか?」と言ってきたのを今でも思い出す。
 ラジオの深夜放送のことで、私は正直にいうと「不協和音だ」と感じたが、確かに何もかもが「想定外」の革命ではあった。
 朝ドラはそのビートルズから、宗男のインパール作戦そしてイギリス兵にまで話が広がり、その脚本には完全に脱帽だ。それはさておき・・・

   6月26日、赤旗のコラム欄「潮流」にイマジンの話が載った。
 引用されていた本を読んでみたくなり、オノ・ヨーコの「グレープフルーツ」を図書館検索すると、近辺では奈良県図書情報館に1冊だけ「グレープフルーツ・ブック」があった。
 ところが借り出していくら読んでも該当する話はなかった。
 で、検索をやり直すと、もう一つ「グレープフルーツ・ジュース」というのがあるようだが、これは近辺の図書館には置いていなかった。しっかりしろ!国会図書館関西館。
 こうなれば・・・乗り掛かった舟である。なのでAMAZONで購入した次第。

   この詩集が執筆されたのは1964年昭和39年私は高校2~3年生。日本は戦後を引きずりながらも高度成長を全力疾走していた。 
 ジョン・レノンがこの詩集にインスピレーションを受け、イマジンを発表したのは1971年昭和46年ベトナム戦争が泥沼だったころ。
 それから40数年後、米音楽出版社協会はオノ・ヨーコを「共作者」と認定した。

 『ひよっこ』は熱く熱くビートルズを語ったが、当時の私は少し冷めた目で眺めていた。
 ベトナム反戦運動の渦中からはそのメロディーラインは甘すぎた。私はその頃、プロテストソングと呼ばれるフォークに傾いていた。
 しかし歳を重ね、現代史を自伝風に俯瞰できるようになると、オノ・ヨーコ、ジョン・レノンは偉かったなあとつくづく感心している。

 1993年版「序」の中でヨーコはこうも語っている・・・
   今はもう、勇気づけのために
   架空のメニューなど作る必要のない時代になりました。
   でも精神的には、どうでしょう。
   みんななんとなく物足りなく、おなかに風が吹いているような
   何かに飢えているような気持ちで暮らしているのではないでしょうか。
   習慣的な生活だけでは、たまらない。
   何か新しい行為を人生につけ足したい。
   それが架空のメニューであるとしても・・・。

 「想像してごらん」はヨーコの疎開先での体験が出発点だったが、70年代初頭ジョン・レノンは「精神的飢え」を満たす人生のメニューをイマジンで提起した。
 その提起は、ある意味ヨーコの戦争体験以上に理性的な感じがする。

 だが、およそ半世紀、人類の想像力はどれほど進歩したというのだろう。
 〇〇ファーストなどという対極にある言葉が肯定的に語られている。

   Imagine
Imagine there's no Heaven
It's easy if you try
No Hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...
 想像してごらん 天国なんて無いんだと
 ほら、簡単でしょう?
 地面の下に地獄なんて無いし
 僕たちの上には ただ空があるだけ
 さあ想像してごらん みんなが
 ただ今を生きているって...
Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace
 想像してごらん 国なんて無いんだと
 そんなに難しくないでしょう?
 殺す理由も死ぬ理由も無く
 そして宗教も無い
 さあ想像してごらん みんなが
 ただ平和に生きているって...
You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one
 僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
 でも僕一人じゃないはず
 いつかあなたもみんな仲間になって
 きっと世界はひとつになるんだ
Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world
 想像してごらん 何も所有しないって
 あなたなら出来ると思うよ
 欲張ったり飢えることも無い
 人はみんな兄弟なんだって
 想像してごらん みんなが
 世界を分かち合うんだって...
You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one
 僕のことを夢想家だと言うかもしれないね
 でも僕一人じゃないはず
 いつかあなたもみんな仲間になって
 そして世界はきっとひとつになるんだ
 歌詞の和訳の転載元http://ai-ze.net/kanrinin/kanrinin5.htm

    黒イボの胡瓜で乗り切る溽暑かな    

1 件のコメント:

  1.  現地時間7日10時50分、核兵器禁止条約が国連交渉会議で採択された。日本政府や幾つかの核保有国は欠席したが、世界中の良識が勝利したのだ。こんな記念すべき日にImagineを書くことができたのを、我ながら喜びたい。

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