早い話が「水無月の夏越の祓」の仏教版で、大仏殿の茅の輪をくぐると夏の疫病に罹らないといわれている。
何よりも夏の朝8時から始まるという清々しさがいい。
約1時間、お経の内容はほとんど解らないが、儀式の様式美のようなものに気持ちよく浸かってきた。
伽藍の背後からはヒグラシの声が聞こえ、一般的都会人としては、何となく深山幽谷の涼しい趣もあった。
実際の山村の方は朝のヒグラシの声を「今日も暑い日が始まるのか」と聞くらしく、ヒグラシの声を涼しいと思うのはヒグラシが少ない都会人らしい。
私などは、ヒグラシの声は文字どおり日暮れから夜のものであり、やれやれ熱い日中も終わったかと涼しく感じるのである。
ところが実際には風もなく、広々とした大仏殿ではあったが、読経の僧は盛んに汗を拭きつつ勤めていた。
さて、解除会の始まる前、つまり朝の7時台はさすがに大仏殿も人が少なかった。
各局のテレビクルーの方が目立っていた。
そこで一念発起。大仏さんの後ろに廻って「鼻の穴くぐり」(柱くぐり)に挑戦した。
誰もいないから相当じたばたしても恥ずかしくない。しかしほんとうに詰まってしまったら大声で表の人に助けを求めなければならない。行くべきか行かざるべきか。
挑戦の結果、相当じたばたしたが無事くぐり抜けることができた。ただし誰もいなかったので証拠写真はない。
ちなみに、身長1・7mに届かない私のBMI(体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)})は、24.7で「普通体重範囲」の上限ギリギリの中肉?中背である。
人間ドックでは「肥満 ↑」だが、勝負は肩幅だから腹囲はあまり関係ない。決め手はバンザイの格好で穴の対角線を使うことである。
個人的には茅の輪くぐりよりも「鼻の穴くぐり」の方が記憶に残った解除会であった。
カナカナ涼し天平の古刹かな
東大寺の柱の穴は30㎝×37㎝だというのを見つけた。となると、直角三角形の斜辺はピタゴラスの定理で出る。私は(3の2乗+4の2乗=5の2乗)の形で憶えている。今はネットで簡単に計算してくれる。答は47,637・・・である。
返信削除ただし、柱の穴は角が少し丸くなっているし、人間の肩(身体)には厚みがある。
妻に測ってもらうと、私の普通の肩幅は44㎝。バンザイをしたときが38㎝らしい。そして通れた。
何回も言うが腹囲はほとんど関係ない。バンザイ時の肩幅が40㎝ぐらいまで潜ることができるのではないか。
早朝かオフシーズンに挑戦されては如何? 大勢の眼前でじたばたするのは少し恥ずかしい。