日本国の会計年度は4月1日に始まり3月31日に〆られる単年度会計が大原則である。
地方自治体も同様なので、よく「年度末になると道路工事が増える」と揶揄される。
否、揶揄というよりも、「予算を使い切ろうと不要な支出をしている」と批判されたりする。
しかし、この単年度会計というものは実際の担当者にとっては厄介な側面もあり、会計年度の前半に予期せぬ事態が生じた場合はやりくりできるが、年度末近い1~3月頃に絶対必要な機器の故障など予想外の出来事が発生すると対処不能になる。
そして、実際には対処不能では済まされない事態があるものだから、そうするとどうしても年度の当初からは、できるだけ安全係数を考えて抑え気味に使っていき、「年度末までいけるかどうか」を読みながら徐々に解禁していくというのが大きな流れになる。
となると、自治体の道路などの場合も、絶対に対処必要な「道路陥没」などの緊急修繕費用を一定確保するために、街路樹の剪定工事などは後回しにして、「先が読めた頃」に発注することになる。
なので「3月工事」には無理もない側面があるのである。
さて、私が駅やショッピングセンターに向かっていつも使用する道路は隣の自治体の道路である。
そこでつい先日、街路樹の小規模な剪定作業に出くわした。
歩きながら私は、「ああ年度末だなあ」との感慨を持った。
前述のとおり、これは大きな制度の問題で、担当者を責める気は私にはない。
しかし、何だ! よく見ると剪定対象の多くはヒラドツツジではないか。
あと一月もすると満開になる、GWを飾る花である。
それをこの時期に剪定するか!
住民自治といっても実際は難しいことだと思う。
「民度」以上の民主主義はあり得ないのかもしれない。
で、「お任せ民主主義」の犠牲者はツツジ君だろう。
ちなみに同じ道路の続きになる私の自治体では、担当部局に「年度末だからと言って開花が近いツツジ等を3月に剪定などしないでほしい」と直接言ってある。
庭の「吉野デンドロン」(写真)が咲き始めた。
ツツジ科で、早咲きのツツジとシャクナゲのハイブリッドだ。
ヒラドツツジは一月ほど後になるが、負けず劣らず綺麗な花を咲かせる。
しかし、今年の件(くだん)の街路樹はどうなることだろう。
4四半期(ししはんき)剪定されし蕾かな
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