2017年3月6日月曜日

からごころ

 テレビのサンデーモーニングで姜尚中氏が森友学園の教育方針に絡んで「やまとごころであるはずの右翼がからごころの典型である儒教に沿った教育勅語を尊んでいるのは矛盾だ」という主旨の大きな皮肉を言っていたが、インターネットで右翼の人々はその皮肉が理解できてない様子で氏の生まれ育ちへのヘイトスピーチで答えていた。

児童の退避訓練
   以前に紹介した半藤一利氏は、「日中戦争、あるいは太平洋戦争へと突入してしまった昭和の一桁の時代のリーダーたちというのは、かつての日露戦争の経験者ではないんです。・・字義どおり夜郎自大の指導者たちです。・・同じようなことがいま、起こっています。戦争の悲惨さを全く知らない、そして戦後民主主義の時代に腹をペコペコにして、汗と涙で苦労して国を作ってきた体験のない人たちが、ちょうど、現在のトップにいます。本当に皆さん、良い家のお坊ちゃんたちで、苦労知らずにそれぞれのいい環境で出てきて、・・」と、戦前回帰の風潮を嘆いておられる。

 BSプレミアムで朝ドラ「ごちそうさん」の再放送が終盤を迎えているが、そこでは、教育勅語で教育された人々が実に不誠実で、かつ子どもたちは短い命をすてていったかという時代を忠実に記録している。

 家永三郎氏はその著書「戦争責任」の中で、「法的拘束力のない教育勅語が・・・法的権力にまさる強制力を発揮した」と指摘している意味は重い。
 氏は、「私は、過去の暗黒の時代に、学問の正道が狂信者の手で歪められ虐げられるのを痛感しながらも、これと正面から争う勇気を欠き、ただ自分一個の良心をつなぎとめることにのみ心をくだいて来た。今にして、私は、真理を防衛する義務を怠った不作為の罪に対する自責の念に堪え得ない」(1953年)と誠実に自己批判されている。

 半藤氏流にいえば「歴史は繰り返す」。
 8億円の値引きも重大問題だが、私は安倍首相やその夫人、そして今や与党や維新を中心とする日本会議議員連盟、神道政治議員連盟の多くの議員が、教育勅語を礼賛するのを見過ごすことができない。

   老夫婦だけでも作るちらし寿司

0 件のコメント:

コメントを投稿