いまこの一瞬も、世界中には許しがたい蛮行が少なくなく大量の庶民が殺され、犯され、塗炭の苦しみに耐えている。
そんなことは、少々の知性があれば容易に解ることだが、個人のヒューマニズムではどうしょうもないと誰もが悟り、言葉は悪いが「知らないこと」にして日々をすごしている。それでも立ち上がっている素晴らしい人々も少なくないが。
ただ、「知らないこと」にしていても他愛ないテレビ番組から考えさせられるときがある。ええ意味で情報化社会である。
イギリスが抱えるその矛盾を、たまたま見た番組から教えられ、それを2月25日に「終わりのない旅」というタイトルで書いてみた。
となると、不思議なもので新聞の国際面のその種の記事に自然と目が留まる。
英国のEU離脱では、国民投票時に離脱派が嘘の数字を宣伝したことが明らかになった。そのことも含めて「post-truth(ポスト真実)」の時代という。
なのでpost-truthの分析と批判も大事だが、その種の起爆装置で爆発するまでに高まっていた深層の変化もある筈だ。乗り掛かった舟でそんなことを書いてみる。
スコットランドでは、国民投票で6割以上がEU残留を支持した。スコットランド自治政府はそのために連合王国(英国)からの独立を問う住民投票を再び検討している。
英国のメイ首相はEU単一市場からも撤退すると表明していて、両者の接点は見えない。
北アイルランドでは、自治政府の議員選挙(定数90)で、自治政府首相率いるプロテスタント系の民主統一党が第一党を維持したものの大きく後退して28。連立するカトリック系のシン・フェイン党は躍進して27。ただし、後者は連立の条件は自治政府フォスター氏の辞任と言っているので協議は難航。自治政府が構成できず英国の直接統治が復活する可能性もある。
それぞれ事情は異なるが、経済のグローバル化、移民の流入と雇用の底抜けがあり、大英王国とヨーロッパの憂鬱は明日の日本の憂鬱になるだろう。
こういう時代の変化を見ずに、万博だカジノだというアナクロ人間について行くと桁違いの経済の崩壊が起こるだろう。
春風も花粉と思えば憎々し
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