2016年10月20日木曜日

マコモダケ

   今シーズン2度目のマコモダケを奈良市の東部山間の田原の里で買い求めた。
 田原の里には太安万侶の墓がある。
 我が家では近頃は、もっぱらフライパンで炒めて美味しくいただいている。
 このマコモダケのことは2014年10月15日に書いた。
 http://yamashirokihachi.blogspot.jp/2014/10/blog-post_15.html
 このときが私の「お初」だったが、近頃では見つけたときには「ちょくちょく」食べている。
   癖もなく、大いに気に入っている。

外の皮をむいたところ
   菰(薦)は、芦(葦)などとも近いイネ科の水辺の植物である。
 奈良労働局の入っている合同庁舎のすぐ近くに「菰川」という地名があり、「菰川」が流れている。
 古の平城京の基幹水路の一つであった。
 さぞや菰が生い茂っていたのだろう。
 佐保川に合流し大和川になる。

   2年前にも書いたが菰は神事や仏事にも重宝されている。 
 一番興味のあるのは宇佐神宮の御神体もしくは御験の菰枕だが、勉強不足の私なぞには不思議な植物である。(※)

 文献には、神田明神の御神体も菰枕だとある。
 出雲大社の注連縄も真菰製で、そのことは伊勢神宮の注連縄の麻製よりも歴史が古いことを示しているとの論にも興味が尽きない。
 もっと身近なところでは菰樽・薦被りだから、神聖で目出度い植物らしい。

   写真のお皿の左のが真菰竹の炒めもの。
 甘味噌を少しつけると文句なしのアテになった。
 
 余談ながら、売っていた産直の販売所で「昔、此処へ”千本餅つき”に来たことがある」と話すと、「毎年しているからどうか参加してほしい」と言われた。
 それで「日にち等はどこで広報されているのか」と尋ねると、「フェースブックだ」と・・・。

 ええっ!  ・・・「偏見だ!」と怒られるかもしれないが、鄙びた山里の販売所のおばさんから「フェースブックを見ろ」と言われるとは思わなかった。
 ただ、素直に考えれば、SNSは庶民の道具であり、弱者の道具である。
 変なところに感動と刺激を受けたものだった。

(※)福永光司先生の「道教について」という論文に、「『説文』第十篇(上)に神人が水沢に住んで薦を黄帝に遺(おく)った話を載せる」、「また『週礼』籩人職では神への供物を「薦」といっている」とある。

   神々も食しただろか真菰竹

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