2016年3月8日火曜日

続アカは凄い

  昨日の「アカは凄い」の記事にコメントを戴いたバラやんの地域の神社の先輩役員は、「春(青)、夏(赤)、秋(黄)、冬(白)、土(黒)と覚えればよい」と教えてくれたそうだが、一般的には「春(青)、夏(赤)、中央(黄)、(白)、(黒)」と覚えるのがよいというように言われている。

 これで、青春、朱夏、白秋、玄冬となる。そして中央が土で黄。
 中央に相当するものは、)春(青)、)夏(赤)、西)秋(白)、)冬(黒)(ここは東西南北ではなく、真ん中に中央を挟んで麻雀のトンナンシャーペイ)で、この世の万物は木、火、土、金、水という5種類の元素から成り立っていると考えついた五行説の思想。

 これに高度な天文学によって星空を東西南北の4つに分け、1区ごとに7つの代表的星座を選び(これを4×7=28宿という)、ギリシャ神話の様にその形から東に龍の形、南に鳥の形、西に虎の形、北に蛇を巻つけた亀の形を見た。これが青龍、朱雀、白虎、玄武。

 「魔除け」などというと全くの迷信で検討に値しないように理解される向きもあるが、農作業にとって暦が死活問題であることが了解いただけるように、できるだけ正確にこの世の成り立ちを理解しようと、必死になって天文を観測し、抽象的な思考を深めた古人の思想がこういうものだった。
 聖徳太子の作と言われる(?)冠位12階の色もここから発展した。ただしそこでは、ことさら赤色に筆頭の位を与えてはいない。
 方角と五行の組み合わせや、それらと色の組み合わせが儒教や道教の影響を受けてその後いろいろ変化したりもしたが、ほぼ一貫して赤色(朱)はパワーのある高級な色と認識されてきたことは間違いない。

 配色の根拠のようなものは諸説あるが、青が春で萌えいずる木の色、赤が夏で火の色・太陽の色、黄が土の色というのには異論が少ない。白が金属の光る色というのもほゞ了解できる。黒が「水が暗く低いところに集まるから」というのは十分納得し難いが、「水は火を消す」という五行説からいくと消えた炭の色と解したらどうだろう。
 
 だから、単に赤米を食べていた頃が懐かしくて小豆粥を作ったのではないと私は考える。
 反対に、この思想に接して後は、赤米、さらには赤飯にパワーを感じて行事食になっていったと考えた方が妥当ではないだろうか。
 繰り返すが、前の記事に書いたとおり、赤色は「よみがえり」の色というのが最大の特徴だろう。歴史的には前後するが、還暦(*よみがえり)の赤いちゃんちゃんこと思想は同じである。
 いずれにしても、赤い朱夏は「盛り」でありパワーであると、十分白秋から玄冬に差し掛かった私はつくづく思う。

4 件のコメント:

  1.  奈良国立博物館特別陳列お水取りに行って来たら、本行前日(今年は2月29日)に大中臣祭文が唱えられると展示してあった。「天狗寄せ」というらしい。
     そこで咒師が読み上げる言葉は、・・・
     謹請東方甲乙青帝龍王、謹請南方丙丁赤帝龍王、謹請西方庚辛白帝龍王、謹請北方壬癸黒帝龍王、謹請中央戊巳黄帝龍王、・・廿八宿神・・というものだったので、少し驚いた。
     後に為政者が色に等級をつけたりしたのには興味もないが、それでも、高松塚古墳に描かれた貴人に差し掛けられた蓋の色やその房の色で被葬者の位が解り推理できるのは楽しい。

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  2. 今年で1265回目、一度も途絶えることなく続けられている「修二会」と陰陽五行との関わりで驚いたのは、私の2014年12月のブログ「民博はすごい!」で紹介した石見大元神楽の演目「五龍王」に登場する5人の王子、青龍王、赤龍王、白龍王、黒龍王、黄龍王の所務(領地)争いの話、仏教と神道はずーっと繋がってきたという事でしょうか。

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  3.  お水取りなどを見ていますと、仏教と神道が繋がっているというようなものでなく、全く混然一体の行事です。そこに咒師という道教の「お坊さん」も一緒になっています。
     そもそも、実忠和尚が行に全国13700余座の神々を招いた折、若狭の遠敷明神が遅刻しそのお詫びに若狭から送った清水を湧きださせ、その清水を観音様に供えるので「お水取り」と呼ばれるのです。
     そのことの再現が、有名な過去帳の読み上げの前の神名帳の読み上げですが、その筆頭が金峰山の神であることを今回知って驚きました。金峰山は言わずと知れた修験道の霊地です。

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  4.  人の素朴な願望につけこんで「健康に良い」とか「運気が上がる」と商売するのは大嫌いだが、ネットで検索でもしようものなら『赤い下着』は大盛況だ。私は買わないが、他人に迷惑を掛けるものでもないからそのブームを愉快がっている。

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