孫の凜ちゃんが鯉幟と初対面した。
そいつが敵か味方か!と見極めるためだろうか、凜ちゃんはすぐに鯉にかぶりついた。
考えてみると幟や吹流しのルーツは戦場における武士の持ち物で、平和を愛する私としてはちょっと引っかかるところがないとは言えないが、幾つかの本には、武士が武具や幟や吹流しを飾ったのに対抗して町人が「鯉の吹流し」を挙げたという説が紹介されていた。
それでいい。
武具類に対抗して、それ以上に目立つ鯉幟を庶民が立てあげた・・・その心意気やよし。
さて、現代史を読んでいるとハッとする面白いことがある。
5月5日の子供の日の制定について、「3月3日でなく戦前は男の子の節句であった端午の節句をあてるのはGHQから男女平等・民主主義の原則に反するとクレームがつかないか」、「この間まで武運長久と重ねて武具を飾った端午の節句というのは平和主義に反しないか」と、当時の日本側の指導者たちは真剣に悩んだらしい。
重箱の隅を心配しているような笑い話かも知れないが、そのときの当事者たちは真面目だったと思う。少なくとも昨今の為政者より。
だから時々は、この国やこの時代というものを俯瞰して眺めたり考えたりすることも大切だ。
例えば皇室典範。
先進国の市民からすると、女性が絶対に天皇になれないと定めているこの国は後進国というか野蛮国だと思われているだろう。それをおかしいと思わない国民も馬鹿か野蛮人と思われているだろう。
国連女性差別撤廃委員会ではそういう見解は常識になっているようだが、日本政府が頑強に反対している。
どの面を提げて他国の人権問題を語れようか。
(ちょっと天皇制問題は脇に置いておいて)
元に戻って、歴史や伝統が好きな私だが、5月5日は「子供の日」でいい。
女の子は3月3日と5月5日と2回実質的な「子供の日」があっていい。
だから家(うち)の鯉幟は男女に関係なく、我々の孫共通の鯉幟である。
凛ちゃんすくすく大きくなって何よりです。高知では3月は女の子、5月は男の子の感が強いですが、言われてみれば「子供の日」は男も女も関係ないですね。鯉のぼりは誰が見ても清々しいものです。
返信削除高知の鯉のぼりで、毎年行われているスケールの大きい鯉のぼりの見せ方を2つ紹介します。一つは、一級河川の大きな川に鯉のぼりを何百匹も泳がせる光景です。もう一つは、川をまたいで山から山へ鯉のぼりを何百匹も泳がせる光景です。迫力満点です。ネットでも紹介していますので興味のある方はご覧ください。
バラやん、コメントありがとうございます。
返信削除川をまたいで何十匹もの鯉がはためいているのは知っていますが、「川に泳がせる」というのはほんとうに川の中に流すのでしょうね。清流なればこそでしょう。
私の記事の「鯉幟は武士の幟に対抗して町人(町家)があみだしたもの」というのは素晴らしい理解ではないでしょうか。ね。
川を泳ぐ鯉のぼりは「仁淀川鯉のぼり」川をまたいで泳ぐ鯉のぼりは「十和村(とうわむら)鯉のぼり」で検索してみてください。何百匹の鯉幟の大群は圧巻です。
返信削除又、高知には(これは男の子)フラグと言って巨大な旗を鯉幟と並べて家の庭先に飾る習慣があります。武士の幟の何倍もあるも幟です。フラグの画は金太郎か那須与一等の武将の画です。これは、町民が武士に完全に勝っている幟です。
情報ありがとうございます。川をまたぐ鯉のぼりはこの頃全国ではやり始めていますね。仁淀川の鯉流しはスケールが大きくて美しい。ただ難を言うと、鯉を川の中に戻したのでは鯉幟の面白さが半減する。土佐のフラグは Flag で旗ですね。大漁旗同様のめでたさを感じます。
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