あれから5年が経ち、5度目のあの日がやって来る。
段々畑の石垣に見られるように、この国の先人たちは何世代にもわたり営々と田畑の開墾を進めてきた。
それが、一瞬の原発事故により、除染と称してその表土が剥ぎ取られ、田には柳が生えて森林に戻ろうとしている。柳が生えると田づくりは無理と言われている。
子供たちは避難地で卒業し、中学の思い出も高校の思い出もそのすべてが「仮設の思い出」になってしまった。
これを「自然災害」と言ってはいけないと私は思う。
「アンダーコントロール」と叫んで誘致したオリンピックが近づいてくる。
「ボタンの掛け違え」という言葉があるが、嘘を基にした話は嘘を塗り重ねないと破綻する。なので政府は、年間20ミリシーベルトを基準に避難指示を解除しようとしている。
ちなみに、電離放射線による白血病の労災認定基準は5ミリシーベルトである。
☢マークがある病院等の放射線管理区域の基準も5.2ミリシーベルト/年で、そこでは飲食や喫煙が禁止され18歳未満の作業も禁止されている。
こういう状況を私は「棄民政策」と呼ぶが、これは根拠のないレッテル貼りだろうか。
「原発を再稼働しないと停電が起こり、病院や介護施設で犠牲者が出る」との脅しがあったが猛暑の夏も電気は足りた。
あとは電気代の話になるが、電気代のために避難者の発生もやむを得ないという理屈はあってはならない。
それよりも使用済み核燃料の処理を考えると原発ほど高くつく税金の無駄遣いはない。
そして、「基準は見直した」「その基準をすべてクリアしたから絶対に安全だ」と言って再稼働を始めた高浜原発は再三にわたってトラブルが発生して緊急停止を繰り返している。
5度目のあの日がやって来る。「私は何を残しただろう」と後悔しないように行動しなければと思っている。
人生で一番してはならないことは「あきらめ」と「知らぬふり」である。
楢葉町で障害者施設の施設長をされていた早川千枝子さんは語っている。
数十キロ離れたいわき市へ避難させられ、薬もなく避難者があふれ障害者はパニックに陥り一人が病気で亡くなった。90歳の母も4か月後に亡くなった。その後、自殺も含め8人の障害者がなくなった。一時帰宅で目にしたものは、空き巣に荒らされカビだらけになった自宅だったと。
テレビをつけると「日本人はこんなに立派だ」という番組が目白押しだが、どこかに嘘がありませんか。
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