秋の使者がキンモクセイなら春の使者は間違いなく沈丁花で、我が家のそれは例年より10日ほど早くやって来た。
寒い日もあったが総じて暖冬だったことの証人だ。
例年なら満開はお彼岸の頃で、現職の頃は人事異動で新しい業務に着くちょっとした不安の心情と重なってインプットされたので、どうも沈丁花の香りをかぐと春愁を思うのだった。
淡き光立つ俄雨 いとし面影の沈丁花 溢るる涙の蕾から ひとつひとつ香り始める・・はユーミンの「春よ来い」。
昨日は3.11東日本大震災の日で、私がここに書いたような「今年も同じ香りが漂ってきたな」というような平穏とは程遠い人々の多さに胸が痛む。特にフクシマ。
我が家にもいろいろあったが、基本的にはありがたい去年と同じ春が今ある。
和名は沈香と丁字を合せたような良い香りなので沈丁花という。原産地の中国では瑞香といいおめでたい木とされているから、このブログを読んでくださった皆さんにもきっといいことがある筈。
我が家の前を通られた方が下の水仙を見ながら「いい香りですね」と言ったりするが、いちいち「その上の沈丁花です」と訂正するのもなんなので「ええ」と相づちを打っている。
そして、その理由は知らないが香りは夜の方が強くなる。
なので歳時記に くらがりに入りて道ある沈丁花 横山利子 というのを見つけて大きく頷いた。
この記事というかこの季節に相応しい少し若い世代との食事会があった。
返信削除私は「メッセージの伝え方を考えている」という話をした。自分で言うのもなんだが情勢に相応しいテーマだともう一度自分で頷いた。
「想い出のアルバム」を口ずさみながら帰ったら沈丁花が濃厚に香っていた。
卒業の季節だと、もう一度思い直した。花桃の蕾も膨らみ始めている。
夕方庭に出ていると、ふたりの方と、沈丁花やセアカゴケグモの話、野鳥の来る庭造りの話に花が咲いた。
返信削除道路から覗き揉んでもらうというコンセプトなのでこんなことが実現する。そうでなかったらこんな知らない爺さんに誰も声をかけてくれないだろう。
下の写真を追加しました。
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