裁判長の良心が圧力に勝ったのだと思う。
国民一人ひとりが見習っていいモラルの勝利だと思う。肝に銘じたい。
さて、5年目の3.11を明日に控えて「核のゴミ」(使用済み核燃料)のことが気にかかる。
我々の国では原発稼働から60年が経ち、これまでに約24,000トンの使用済み核燃料が発生した。
内約7,000トンが再処理のためにイギリスとフランスに行っているので約17,000トンが現在国内にある。
その内の約14,000トンは各原発のプールに貯蔵されており、約3,000トンは六ヶ所再処理工場にある。
六ヶ所再処理工場は1993年から約2兆1,900億円かけて建設したもののトラブルばかりで今なお「試運転」中。
計算上の話になるが原発を再稼働すれば後6年で全原発と六ヶ所工場のプールは満杯になる。
さらに単純計算なら、現在ある使用済み核燃料を全量再処理すれば、10,000発の核弾頭が製造できるだけのプルトニウムができ、核拡散やテロの危険が飛躍的に拡大する。
正直にいえば私も昔は、「原子力発電が進むと同時に最終処分の技術が開発されるだろう」と漠然と思っていた。
しかし、60年を費やして到達した現実が以上のとおりである。
そしてフクシマの事故が起こった。
「40年かけて廃炉作業を完成させる」と政府は言うが、その言葉を信じるということは「歴史に学び反省する」という精神を欠いているということだと思う。
安倍晋三氏は「完全にコントロールされている」と大見得を切ったが、汚染水は「完全に」海に流れていると私は断言する。
そして、昨日の記事に書いたが、年間20ミリシーベルトまでの地域の避難指示を解除するという。
病院で、黄色地に黒で「☢危険」と表示されている放射線管理区域の38倍強の汚染度である。
さらに断言すれば、彼らだってその危険性は判っていると思う。そして、フクシマの人々が発症するときにはオリンピックが終わっていて、かつ自分は首相等を引いた後だとすべて分かったうえでの安全宣言だと断言する。
私の指摘が当らないことを祈るが、冷静に考えればそうなる。
5年目の3.11がやって来る。確かに津波対策も大切だが、フクシマをあえてスルーして「復興」や「絆」や「忘れない」を言ってはいけないと思う。
※ 数字は全国革新懇のシンポジウムでの志位和夫氏報告から引用した。
0 件のコメント:
コメントを投稿