2015年5月2日土曜日

東京コンプレックス

  いわゆる大阪都構想に一定の人気があるのは、一言で言って東京コンプレックスだと思う。
 東京が「都」なら大阪も「都」になりたいという幼児の発想に似ている。もちろん、圧倒的な大阪人はもっと大人の常識人ではあるが。
 「いや、そうではない。現に東京は繁栄しているのに大阪はじり貧やないか」という論もある。
 しかし、5月1日の記事に書いたが、東京の繁栄は経済の一極集中のためであり、特別区制度のためではない。
 それどころか、東京23区は特別区の廃止(きっと政令指定都市への昇格)を希望し、そうすればもっと都市政策が充実させられると考えている。
 藤井聡氏の著書から引用すると、東京23区の人口は916万人、大阪5区(大阪市のこと)の人口は269万人。東京23区のGDPは82兆円、大阪5区のGDPは20兆円。これが事実である。
 東京23区は、特別区ということで大きな損をしているが、それを補って余りある豊かな財源が「東京一極集中」という経済力によって担保されているということだろう。
 大阪的算盤勘定でいえば、日本一の政令指定都市・大阪のパワーで政府に迫るべきであるのに、それを町村以下の特別区に分割して「しゅん」としまうというのが住民投票で問われている「いわゆる都構想」である。
 この算盤勘定を判り難くしているのが在阪テレビ局等のマスコミだと思う。
 もういい加減に「東京がなんぼのもんじゃい」というような低レベルの放送は止めたらいかがだろう。
 
 なお、歴史的には宮(みや)とは天皇の居住するところ、京(みやこ)とはその街のことだから、現憲法的に解すれば国権の最高機関が所在する自治体が「都」(みやこ)であって不思議でない。(象徴天皇制とも背馳しない)
 私は、大阪府を大阪都と改称する法律は洒落ではいいが、ほんとうに議論をすれば「あほかいな」という議論だと思っている。
 「地方自治を語る前に歴史と国語を勉強しなさい」と、歴史学者・千田稔先生は朝日新聞紙上で橋下市長を批判していた。

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