2025年6月7日土曜日

歴史を愛する共産副委員長

    参議院環境委員会で山下よしき議員(共産党副委員長)が「二上山(にじょうざん・ふたかみやま)に産業廃棄物の小山(盛り土)が出来つつあることについて環境省を質した。
 盛り土の崩壊・崩落や有害物質の浸出、地下水や河川の汚染など心配は当然だ。そして同時に、景観や歴史的価値が心配だ。

 昔から飛鳥や藤原京さらには平城京の西に佇む二上山は、異界あるいは浄土とも目されていた地であり、万葉集などでも多く詠われた。感心のある私には許せない出来事に思える。その一つを書いておく。
 主人公の一人は古代の中央集権国家を完成させた立役者の一人持統天皇である。
 壬申の乱を勝利した天武と持統であったが、天武の皇子は十人いた。長子は高市皇子だが母が地方豪族の出自のため皇位継承権はなかった。第二子が持統の子である草壁皇子、第三子がひとつ違いの大津皇子で母は持統の姉の大田皇女だった。そして本命草壁皇子が皇太子となった。
 問題は、懐風藻などによれば、草壁皇子は凡庸であったが、大津皇子は身体・風貌が逞しく文武両道に秀でていたということだった。
 朱鳥元年、天武天皇が亡くなって3週間後、大津皇子は謀反の罪で捕らえられ翌日死を賜った。
 事件に連座した者がその後出世していることなどから、持統による冤罪事件だと考えられている。
 そして大津皇子は二上山に葬られた。姉の大伯皇女は、うつそみの 人にある我や 明日よりは 二上山を 弟世と我が見む と詠った。
 後に折口信夫は「死者の書」で大津皇子の無念と当麻の風景を描いた。
 その地に産廃の小山など許されてよいものか。
 浅知恵では革新よりも保守を自称する者の方が歴史や伝統を大事にするかのような誤解があるが、古都の周辺で暮らしていると、自称保守が金のために歴史的価値を蹂躙し、革新の代表と目される共産党が徹底して歴史に心を寄せている。
 隣の京都府でも、仏教界が千年の愚策と断じている北陸新幹線地下トンネル案を欲に目がくらんだ自公の政治家が推進し、共産党は千年の古都破壊を許すなと闘っている。
 

 

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