今宮戎に比べると境内の面積が格段に狭いので、詣でるまでに時間がかかったが、夜にはものすごく大渋滞することだろう。
それでも「えべっさんは耳が遠い」と言われるから一番前まで徐々に進み、大きな声で「えべっさん!家内安全だけでええから頼んまっせ」とお賽銭を入れて、詣でた後は混雑から逃げるように外へ出た。
福笹につける吉兆はここでは「小宝」と呼ばれ、江戸時代中期の唄に「十日戎の うりもの(売り物)は はぜぶくろ(袋)に とりばち(取鉢) 銭かます 小判に かね(金)箱 たてゑぼし(立烏帽子) ゆでばす(蓮) さいづち(才槌) たばねのし(束熨斗) ささ(笹)をかたげて ちどりあし(千鳥足)」と歌われたものを集めたものである。
その福笹だが、昔の福娘?は「大きい笹を・・」と差し出したが、「商売繁盛はエエから小さい笹にして」と言って授かってきた。
写真は、関西演芸協会(会長桂福団治)の芸能人によるしころ(錣)。
「しころ(錣)」とは、上方芝居芸能で正月興行の芝居終演の際、木戸口で太鼓と双盤を用いて囃したもので、男女が「ひょっとこ」「おたふく」の面を被って、「大入り」の字の形になるように踊っていたもの。上方芸能の保存を目的に毎年奉納されているという。この踊りの仕草が「大入り」の形なので、参拝者に「えべっさんの福」が懐に大きく入るとも言われている。
笛、三味線、太鼓などの実際の演奏で演じられているもので、さすがキタの堀川戎という情緒が感じられた。
双盤は鉦。しころはyoutubeで見ることができる。
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