翻訳家の岸本佐知子さんの随筆集『ねにもつタイプ』からの引用がおもしろかった。
だからこの記事はほぼ「孫引き」だけである。
岸本さんは「オリンピックが嫌いだ」と次のような理由で書き綴っているという。
「朝から晩までオリンピックオリンピックとそのことばかりになるから嫌いだ」
「メダルの数に固執するから嫌いだ」
ー金銀銅のメダルはやめて、どんぐり、煮干し、セミの抜け殻にしたらどうかー
「メダルを取らなかった選手と種目は最初から存在しなかったことになるのが嫌いだ」
「国別なのも嫌いだ」
天声人語は「半分ぐらい分かる気がする」と如何にも大商業新聞らしい感想をつけているが、それなら東京オリンピックの際に自分たちはどう立ち振る舞ったのかの反省をつけてほしい。
夢洲のカジノのための万博にしても、この種の事業(政策)にメディア関係が事実上主催者の一翼を担うのは世論というか国民の意識の大きな誘導になる。「そんなのは嫌だ」となぜ言わない。
スポーツだとか、ある場合にはフェアプレイだとか、友好だとか、魔法の言葉は恐ろしい。
パリのセーヌ川をイスラエル国旗を掲げて選手団が「入場」した。
岸本さんの随筆の「閉会式と開会式だけちょっと好きだ。あとはぜんぶ嫌いだ」で天声人語は締めているが、朝ドラ風に言えば「はて」。
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