2023年2月23日木曜日

実印という例え

   土曜日か日曜日のABCラジオを何となく聞き流していたら、女性アナウンサーらしき人がメーンの出演者との会話の中でこう語っていた。

 🔳大手の保険会社の方と話していて口座番号か何か?を確認するためにマイナンバーカードを持ってきたら、保険会社の方が慌てて『それは締ってください』と言ったので驚いた。
 『お客様の情報を確認したりしたら会社でひどく怒られるのです』
 『マイナンバーカードは実印みたいなものですから、むやみに持ち出してはいけません』と言われた。と・・・🔳

 「マイナンバーカードは実印みたいなもの」とはよい例えだと私は感心した。
 それだけ重要な情報が詰まっている。
 実印の押してある書類は「実印は盗まれたものだ」と言っても非常に覆し難いものだ。それぐらいの安定性がないと実印にならないから。
 
 そこでマイナンバーカードだが、保険証だから医院に持参せよと言われている。先の例えでいえば、実印を持ち歩けというに等しい。
 私は大手保険会社の外交員の指摘の方が正しいと思うのだがどうだろう。

 労働災害防止の哲学に「人はエラーをするものだ」というのがある。
 「この人のこんなミスで災害が起こりました」は”ない”ということで、「人はエラーをする」ヒューマンエラーを前提にして、エラーをしても事故に至らないように機器や環境を整備せよという哲学である。

 この哲学は全く正しい。事実、個人情報漏洩事件は数々起こっている。
 だからドイツやフランスではマイナンバー=国民総背番号はいわば憲法違反としてつくられていない。

 マイナンバーカードに関わっては、岡山県の某市市長が「マイナンバーカードを取得していない子の給食費は有料にする(他の子は無料)」としたが、これなどは百歩千歩譲っても、「法治国家にあっては目的も手段も正当なものでなければならない」という常識を逸脱している。
 『子供の給食費』のところを他の『何か』に換えてみるとその恐ろしさが判る。

 マイナンバーカードは返上もあるらしい。

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