2021年7月17日土曜日

芸術と政治

   16日に『表現の不自由展かんさい』を観てきた。アートとしてはそれほど感動はしなかったが、これらの作品に対して加えられた抑圧や妨害によって、妨害者には皮肉だろうが、芸術(表現)と政治について考える機会になった。それはきっと私だけのことではないだろう。

 「アートに政治的主張を込めてはならない」とは誰一人考えてはいないだろう。問題は不愉快に思う人の気持ちである。そしてそれは単純明快である。言論で反論すべきである。間違っても、暴力や脅し、あるいはそれに屈して公職にあるものが公権力の行使としてそれを抑圧、抹殺しないことである。

 私は、帝國憲法下の従軍慰安婦、昭和天皇の戦争責任、それらがアートになっていても何の不思議もない。ナチスヒットラーのユダヤ人強制収容・ホローコーストを告発する立場でアートにして圧倒的な現代ドイツ人はそれを自虐だ、ドイツ人を貶めているとは言わないだろう。同じ性格のことを堂々と自虐だなどと発言する方がおかしくないか。

 18日まで開催されているから、誰もが自分の目で見て自分の頭で考えることが大切なように思う。維新の吉村大阪府知事が後押しした施設側の特別抗告は最高裁でも棄却され、大阪府立労働センター(エルおおさか)の会場使用は維持された。多くの人々が観に行くことが暴力や脅迫反対の理性的な社会を守ることになる。

2 件のコメント:

  1. 全く同感です。会場使用が許可されてホッとしました。こんな当たり前のことまで裁判で戦わなければならないとは....。
    会場をいっぱいにしなければと思いつつも、最近大阪の感染者が増えている状況、ワクチン接種二回目をまだ終えてないことを考えて諦めました。

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  2.  維新の大阪府市政の怠慢の結果接種が遅れたのでしたね。二重に腹立たしいですね。

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