大正12年の新聞と現代のメディアの状況を一緒だなんていう気はないが、関東大震災時の流言蜚語を大きく助長したメディアの責任(写真参考)は重要な教訓として押さえておきたい。
今般の北のミサイルの報道でも、まるで日本に向けて攻撃があったかのような報道はいただけない。
それらのことは8月30日の記事に書いた。
そこで少し息抜きのような話題だが、今夏、関西のテレビや新聞をにぎわした記事のひとつに「奈良の鹿だまり」のニュースがある。
「夕方になると、奈良国立博物館の前の芝生に驚くほどの数の鹿が溜まってくる」という話題で、テレビニュースなどは1分ぐらいの短い時間で半分クイズ形式で面白おかしく伝えるから、「答は博物館地下からの冷たい空気の換気口(写真)で涼をとっているのだろう」という一説が、まるで定説であるかのように独り歩きしている。
私の知る限り、辺り一面をひんやりさせるような空気は出ていないし、鹿が涼を求めるなら若草山を少し登る方がよい。推論のひとつではあるが、私は的外れのような気がしている。
しかし、そのうちにクイズ番組あたりに出題されるのではないだろうか。
ことほど左様に、メディアの振りまく印象が世に与える影響は大きい。
だから、テレビ、新聞を鵜呑みにせず、常に「はてな?」という癖をつけておかないと、「鹿だまり」みたいな何処かへ連れていかされそうな気がしている。そこが絶滅収容所でなければ良いが。
不意打ちの秋の空気やくしゃみ声
「メディアに一言」というタイトルを付けた関係上「一言」いうと、女優武井咲(23)が結婚した。オメデタでもあるそうだ。するとテレビのワイドショーでは「CM等の違約金10億円単位か」とさも当然のように報じている。若い女性のお祝い事をそんな風に報じるメディアって歪んでいないのだろうか。テレビ局とプロダクションとは深い付き合いがあるだろうが、そんな奴隷契約のようなものを当然のように報じてよいのか。情けない。
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