9月11日は「二百二十日」であった。
八朔、二百十日と併せて、農家や漁師の三大厄日で、堺の開口神社(大寺さん)の八朔祭や越中八尾の「おわら風の盆」等は単に秋の収穫祭ではなく、元々はこの時期の風鎮めの祭りだったのだろう。
先日の台風18号は記録上、九州、四国、本州、北海道全てに上陸した初めての台風だった。「台風の眼」とはよく言ったもので日本列島を鳥瞰しながら正確に縦断していったのを見て「まるで生物のようだ」と感じた方も多いだろう。
大西洋側の超大型ハリケーンのニュースはこれも度肝を抜かされる規模で、「どうも地球がおかしい」と多くの人びとが感じているはずだ。
そこで、再び白川文字学で『風』を引いてみた。
【形声。音符は凡(はん)。甲骨文字は鳥の形。神聖な鳥であるので冠飾りをつけている。鳳(ほうおう)のもとの形と同じである。その鳥の左や右上に音符の凡を加えている。
天上には竜が住むと考えられるようになり、風は竜の姿をした神が起こすものであると考えるようになって、鳳の形の中の鳥を取り、虫(竜を含めた爬虫類の形)を加えて、風の字が作られ「かぜ」の意味に用いられる。
「かぜ」の意味は、空気の動きによってその意味を表現したのでなく、神聖な鳥の姿や竜のような姿をした霊獣によってその意味を示しているのである。
古い時代には、風は鳥の形をした神、風神と考えられ、その風神が各地に出かけて行き、人々に影響を与えて風俗(その地域独自のしきたり、ならわし、生活のしかた)や風物(その土地独特の景色や産物)が生まれたと考えられた】(引用おわり)。
いやはや白川文字学は面白い。
こんな本を読んでいると、長生きしていてよかったと思う。
そして、義務教育辺りでこんなことを教えてもらっていたなら、もっと世界が変わっていたかもと、残念な気持ちもある。
海抜数メートルの大阪市内では「いまさら」の話題かもしれないが、生駒山を超えた山背の地では、昨日、微かな秋風に乗って濃厚な金木犀の香りが室内にまで漂ってきた。
これも風神のおかげだろうか。
台風一過まずトマトを褒めてやる
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