2017年8月3日木曜日

正距方位図

   フジテレビが普通の世界地図であるミラー図法(メルカトル図法のようなもの)の地図で北朝鮮のミサイルの到達距離を図表化して嘲笑を浴びたことがある。(上の写真)

 距離や方位がより正確に近い正距方位図法で見るとその次の図(写真)のようになる。
 赤い線は私が引いたが、北朝鮮からアメリカ大陸北部に向けてミサイルが飛ぶ場合のコースである。もちろん本来は下図に沿った曲線であるが、イメージとしてはほゞこうなる。
 昔、アメリカ行きの旅客機の飛行距離が十分でなかったころ、アラスカのアンカレッジ空港に寄港していたことを思い起こせば誰でも納得できるだろう。

正距方位図
   そこで、アメリカの主要都市を狙った北朝鮮のミサイルを、アメリカの僕(しもべ)である日本が迎撃しようとすれば絶対にロシア上空へ迎撃ミサイルを飛ばさなければならない。
 ひとつ間違えば世界大戦かもしれないが、安倍さん、気は確かですか。

   こんな技術的な議論をいくらしても生産的ではないが、なんとなく北朝鮮のミサイルがアメリカを狙った場合には日本上空を通過するというような、メルカトル世界地図的誤解はけっこうあるように思う。
 としたら、日本のJアラートや避難行動のCMを、日常生活をしている韓国国民が笑って見ているというのも肯ける。フジテレビも笑われていることだろう。

 政府のミサイル避難行動のCM関連費用は4億円といわれているから、実は、広告メディア業界に対して「政府批判の矛先を違えてね」という賄賂の性格かと勘繰りたくもなる。

 日本人は世界の中で飛びぬけて新聞テレビを信じているという統計がある。
 私は今でも思い出すが松本サリン事件のとき、私も河野さんを犯人かと信じたときがある。オーム真理教についても、同教団が盛んにサリンガスについて語っていることも知っていたにもかかわらずである(平均的庶民よりは知っていたと思う)。
 マスコミのいうことは自分の頭で考えなおせ! これが私の学んだことである。
 少なくともメルカトル図法の世界地図には瞬時におかしい!と判るぐらいの一般教養は要る。う~む。なかなかついては行けていない。

    炎天や蝉ひよどりに喰われけり

2 件のコメント:

  1.  さて、北朝鮮からロスに向けたミサイルが日本上空を飛ばないことは分かった。しかし、日本を狙って発射されたらどうか?といえば、関西なら4分以内に着弾するから、廃墟の上でJアラートが虚しく放送されていることだろう。
     軍事技術で対抗などできないことは明らかではないだろうか。
     「核が平和を守っている」という核抑止力論も、とすれば「世界中に核兵器が増えればそれだけ平和になる」という迷論ではないか。
     政治や外交はつまるところ「人」ではないか。そう思う。

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  2.  トランプの売言葉を買って金正恩が、グァム周辺海域にミサイルを撃ち込むと発言した。その場合、ミサイルは島根、広島、高知上空を飛ぶが上空といっても大気圏外だから迎撃ミサイルPAC3では絶対に迎撃できない。ミサイルが失敗して大気圏内に落ちてきたときに使用すると政府は言うが「困ったときの北頼み」みたいにインチキ臭い話だ。日本列島上空の危険は北朝鮮よりも米軍軍用機やオスプレイの方が何百倍も大きい。トランプや金正恩、安倍晋三の3人を除いては世界中の指導者は「外交で対応しろ」と言っている。そのことをマスコミはあまり報じず、戦前に似た扇動の片棒を担いでいる。

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