2017年8月10日木曜日

食わず嫌いだった

   実につまらん些末な話だが食わず嫌いだったかもしれない。
 くるぶし丈の短いソックスの話である。
 この記事を書くために確認するとショートソックスというらしい。
 息子などは相当以前から使用していたが、それを見ていて、感覚的にけったいなソックスだと感じ、履こうとなんか思いもよらなかった。
 が、夏のソックスを買いに出かけたところ、見た目涼しそうなそのソックスが目についた。

 そこで、「人には添うてみよ」という言葉もある、人(息子)が使用しているにはそれなりの利点もあるのだろうと考えて一度試してみようと購入した。
 気にいらなければ息子にやればいい。

 ところが、これが非常に気に入った。
 第一に涼しい。第二にずれたりしない。年寄りの食わず嫌いであった。
 一寸見には石田純一の真似かと誤解されるのは不本意だが、私はけっこう合理主義者である。少々だがチャレンジャーでもある。
 3足何円かの安物だが、既存の夏用ソックスを追いやって専らこのソックスを履いている。

 実母がいた頃、私が新しい情報などを説くと「老いては子に従えやな」とよく言われたものだが、このショートソックスを履く度に、私は頭の中で「老いては子に従えや」と繰り返している。

    秋立ちぬ台風一過の蝉時雨

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