2017年8月25日金曜日

社会の木鐸

 『木鐸(ぼくたく)』を広辞苑で引くと、①木製の舌のある鈴。中国で、法令などを人民に示すとき鳴らしたもの。②世人を覚醒させ、教え導く人。とあるが、一般には「社会の木鐸」という使い方が圧倒的でその場合は新聞を指していう。
 新聞が社会、つまりは庶民を教え導くというのはおこがましいことだが、世に一足先に警告を発するものだと解すればジャーナリズムの精神としては大切なことである。
 「とっさの日本語便利帳」等によると、「鐸は法令を宣布する時に振って鳴らした大型の鈴ようのもの」というから、号外の配布、昔の学校、関西の豆腐の行商に使われていたようなものらしい。なお「文事には木の舌のもの(木鐸)、武事には金の舌のもの(金鐸)を用いた」とある。


   8月19日の朝日新聞大阪版に作家・中島京子さんの紙面批評が掲載され、安倍総理・官邸とお友達として有名な元TBSワシントン支局長山口敬之から性犯罪(強姦)の被害を受けたフリージャーナリスト詩織さんの事件を朝日新聞がほとんど無視(スルー)したことに大きな疑問を投げかけた。

 性犯罪の被害者は二次被害を受けやすいが、詩織さんも典型的な二次被害を受けている。
 例えば山口敬之はFBで「(アルコールに混入されたと思われる薬物らしきもので昏睡状態にあったというタクシー運転手やホテル従業員等複数の証言があるにもかかわらず)詩織さんがベッドに入って来た」と一方的に「反論」し、そのFBに安倍昭恵夫人が「いいね!」とコメントした二次被害の大きさは想像を超える。
 こういうことに、朝日新聞が一般論としては性犯罪の残酷さと被害者泣き寝入りの理不尽を訴えてきたのに、この件では異常にスルーした。異常である。

 週刊新潮によれば、所轄署は逮捕状をとっていたが、中村格警視庁刑事部長(その後警察庁長官も臨める総括審議官に大出世)の指示で直前に取りやめになった。中村格は「自分が指示した」と認めている。
 中島京子さんは「捜査のゆがみがあったかなかったかも、うやむやにできる問題とは思えない」と結んでいるが至極妥当である。

 国有地8億円値引き事件では安倍昭恵夫人の関与を隠すため、籠池夫妻を不当に長期拘留している。見せしめというか拷問というか・・、
 谷査恵子秘書はイタリア大使館一等書記官という破格の出世で口を封じた。
 佐川理財局長の国税庁長官への出世もあった。
 この国は後進国の独裁政権並みの腐臭を発している。
 「社会の木鐸」は中島京子さんの警鐘に耳を傾けるべきだろう。

    冗談日記
      首相がどんな悪いことしたかはよう知りまへん。
      テレビであの顔が映ったらチャンネル替えまんねん。
                        こんな人たち

    クーラーかけ冬眠のごと穴籠もる

1 件のコメント:

  1.  不倫だとか下半身に興味津々のマスコミがどうしてこの問題では口を噤むのでしょう。
     現代社会は「粛々と」モノも言えない恐ろしい社会になりつつある。

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