2016年9月11日日曜日

蘘荷不知以爲滋味

   「蘘荷(じょうか)有るも、以て滋味と為すを知らず」(魏志倭人伝)の「蘘荷」とは茗荷のことらしい。
 著者の陳寿は「倭には茗荷があるが倭人は茗荷の美味さを知らない」と3世紀に書いている。
 茗荷大好き人間としては少し残念な記述である。
 しかし、そんなことわざわざ書きますか・・・
 
 不思議なことは、古くからインドや中国で生えていて、仏陀に物忘れのひどい弟子がいたので「茗荷を食べると物忘れをする」という諺まであるのに、野菜として食べているのは、・・さらには栽培までしているのは日本だけだという。

 補足すると、茗荷を野菜として食べているのは正確には日本、韓国、台湾の一部だけらしい。(薬草は除く)
 なので、その言葉はそのまま陳寿さんにお返してあげたいと思っている。
 茗荷の滋味を知り伝えてきたのは貴殿が軽蔑した倭人の後裔であるぞよ。

   5月8日に茗荷竹を初めて食べて感動したことを書いた。
 茗荷竹の季語は春。・・・因みに茗荷の子は夏、茗荷の花は秋という。
 その秋に、またまた「茗荷竹の甘酢漬け」を手に入れた。
 妻がコープの通販で見つけたので申し込んでおいてくれたもの。
 その味は、甘酢好きの私としては全く文句がなかった。
 娘の感想は、「ラッキョウみたいや」で、今一つという顔をした。

 5月8日の記事に土佐のバラやんがコメントをくれて、産地のJAでは「茗荷を食べて都合の悪いことを忘れましょう!」なる催し物があると・・・。
 河島英五の「酒と泪と男と女」ではないが、近頃は忘れてしまいたいことが多過ぎる。
 しかし、日々の現実を忘れて選挙時の美辞麗句に惑わされたのでは後悔しても遅すぎる。
 なので、茗荷を食べつつ日々の現実を忘れないようにブログを書いている。

1 件のコメント:

  1.  本文で季語に触れましたが、茗荷の子が夏で茗荷の花が秋というのも、「そんなの同じと違うのん」と思うか、子の頭に花が目立つまでの微妙なタイムラグを指摘していると感心すべきか、ほんとうに悩ましいことです。
     庭の茗荷の子(花茗荷)は水やりのときに土(砂粒)が入ったりするので、買い物の折りには必ず買い求めています。現在は3つで130円ほどです。

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