2016年7月19日火曜日

老兵は何をすべきか

 参議院選挙大阪選挙区ではお維の候補が2名当選し、わたなべ結候補の当選は叶わなかった。
 兵庫選挙区でもお維の候補が当選し、金田峰生候補は落選した。

 近頃恒例のとおり、今回もお維の比例の候補者2名の陣営から3名が公選法違反で逮捕されているが、そういうダークな政党にどうして支持が集まったのだろう。
 結局、消極的な意味でのイメージ選挙だったと私は思う。

 民主主義の原点である言論活動を徹底的に抑圧する「べからず公選法」の下で、まともな論戦が封じられたまま、テレビショッピングのレベルと変わらない「身を切る改革」という言葉だけで彼らは集票した。
  社会の閉塞感が「今ではない何か!」に向けて変わって欲しいという方向に集まった。
 そういう場合には、トランプや欧州のネオナチのように、少し品のないワンイシューが魅力的にみえるものである。

 ほんとうの論戦がされていたなら、党首松井大阪府知事が「身を切る改革」「退職金の廃止」と宣伝しながら、実は月額と一時金増額で実際の総報酬を増加させたことからも、詐欺的誇大広告は明らかだったのだが、それを「おかしいではないか」と指摘するメディアはほとんどなかった。

 メディアといえば、お維の勝因はやっぱり関西発のワイドショーだろう。
 お笑い芸人を十把ひとからげに論じるつもりはないが、ワイドショーの雛壇に座らせて、「結局誰がやっても同じと違うん」「何かやってくれそう」「身を切る改革をしてほしいなあ」的なコメントを連発し、「街の声」のインタビューあたりでもそれを追認するように編集して繰り返した。

 野党共闘陣営も、焦点が自公の立憲主義の破壊、経済格差の拡大問題にあったため、その種の誤解への正しい宣伝が不足していたような気がする。ここは大きな反省点ではないか。

 私はさほど「がっかり感」はないが、大いに反省し総括する必要があると思う。
 ギャンブル依存症の前提には初期の成功体験があるという。
 そんなことを連想してモノを申すのは不穏当かもしれないが、1970年代の躍進の成功体験に胡坐をかいて、ただ「力不足だった」では総括にならないだろう。
 年齢を重ねると誰でも物理的な運動量は減る。
 それを克服するようなメッセージの伝え方の工夫は喫緊の課題だろう。
 「そんな面倒くさいことを今さら・・」と言ったのでは始まらない。

2 件のコメント:

  1.  長谷やん、いつ発信されるかと待っていた参院選総括の記事、読ませていただきました。
    一読した印象は、やはり惨敗した関西の民主勢力の一員だけに、「無念さ」がにじみ出たものでした。私と違ってやるべきことをやり尽した長谷やんだからこその見解なのでしょう。
     ただ、おおさか維新については、またも大阪・兵庫以外では通用しなかったとみるのが妥当だと思います。大阪・兵庫の勝因が関西のワイドショウだという見解には異論はありません。
     いまちょうどABCテレビのワイドショウで、東京知事選の3陣営の戦術・政策の徹底分析と題する番組を放送しています。毎度同じ事を繰り返しているように見せながら、私には放送姿勢が小池百合子氏に比重を置きつつあるように見えました。それにしてもテレビの影響力の大きさには驚きです。対抗手段を持たないだけに長期的な対策と戦略をこちらも考えなければならないと思います。
     それと日本で初めて成立した本格的な野党共闘がそれなりに成果をあげた(有権者を失望させなかった)点は、やはり評価すべき点だと思います。長期的に見れば、この成果だけでも将来、憲法改定を阻止するための基礎になるのではないでしょうか。
     
     

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  2.  和道さん、総括などとおっしゃっていただくとお恥ずかしいですし、事実、家からほとんど出ることのできない日々ですから、感想というか思い付きでしかありません。
     ただ関西では、基本戦略として、自公政権の批判と同時にお維の批判もしっかりしなければならないと思います。
     そして、組織論としては、少し若い人々の感覚にフィットした政策を、若い方々の心に届くようにどう伝えるかについて本気で議論することが必要だと思っています。
     それぞれが工夫し、工夫した楽しい経験が笑いながら交流できるようになればいいと夢見ています。
     一般論ですが、戦犯探しみたいな議論はしたくありませんね。

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