ネットの情報なので真相を確かめるべく(というほど大層なものではないが)本屋に行って立ち読みをした。短い文書なのであっという間に読み終えた。
しかし、これで帰ったら「書籍派」の私としては気が引けるので、その週刊文春12月11日号を買って帰った。
問題の文章は林真理子さんの「世の中って!」と題した一文である。抜粋するとこうである。
「このまま知らん顔していようかと思ったが、やはり書かずにはいられない」との書き出しで、百田直樹著「殉愛」が発売当日TBS「金スマ」で2時間再現の大プロモーションのおかげもあって大ベストセラーになったが、その発売2日後、この(やしきたかじんの)献身妻が実はイタリア人と結婚していて重婚の疑いがあるという話がネットで大騒ぎになっていた。また、この本はやしきたかじんの長女が「名誉を傷つけられた」と提訴し出版差し止めを要求した。・・・・で、ここからが核心だが、「こういうとるに足らない、すごくくだらない、だけどものすごく面白いことを記事にしてくれるのが週刊誌でしょう」と述べたうえで、『テレビも週刊誌も全く報道しない。私はこのことにものすごい不気味さを感じるものである。この言論統制は何なんだ!』と続け、「意地悪が売りものの週刊新潮(百田の連載が終わったばかり)も、近いうちに百田の連載が始まるらしい週刊文春も、講談社が版元の週刊現代も、ポストも、こういうネタが大好きな女性週刊誌もなぜか全く無視。大きな力が働いているのかと思う異様さだ」・・「私は全週刊誌に言いたい。もうジャーナリズムなんて名乗らない方がいい。自分のところにとって都合の悪いことは徹底的に知らんぷりを決め込むなんて、誰が朝日新聞のことを叩けるであろうか」と章を閉じている。
いうまでもなく百田直樹はヒット作家であるが、同時に安倍晋三のお友達でNHKにも送り込まれた人物である。
この一文は、現在のマスコミやジャーナリズムの本質をついていると思う。
つまり、我々が通常知り得る情報というのは大きな大きな体制の力によって大きく制約され歪められているということだ。
「そんなことはない。私は冷静に情報を知っている」という人は、お釈迦様の掌の中を世界中だと思っていた孫悟空と変わらないだろう。
自民党の圧勝が報じられる総選挙の終盤である。
安倍首相は「戦後レジームからの脱却」だとか言って、言論統制で構築した戦時体制への復帰を進めている。
話のイントロはくだらない、とるに足らないテーマだったが、林真理子さんの指摘していることの意味は大きい。
「長谷やんはどこかいな」と、しばらく以前から探し求めていましたが、ようやく見つけ出しました。しばらく読ませていただきます。
返信削除さっそくですが、このたびの選挙について、一言意見申し上げます。
大義のない選挙と言われながら、安部首相が何をもくろんでこのたびの解散をしたのか。そこに重要な意味があると思います。すでに大方の合意がある消費税先送りを、あえて表面上の信認事項にし、実は、秘密保護、世論誘導、憲法改正、日本外交・防衛の右傾化、大企業中心の産業振興、中小企業淘汰、TTP妥結、原発再稼働、財政困窮を逆手にとって年金や福祉の大幅削減、など、彼本来のやりたいことを、白紙委任を得たうえで今後4年間のフリータイムの中で自在に進めていく、そのような展開が予想されます。
選挙のたびに感ずることですが、自民党に正論を持って正面から対峙するのは共産党しかない、と認めながらも、いかんせん、少数党派の悲しさで、無駄票が多い。アンチ自民の有効票をいかに重ねるか、やはり気になることです。それにしても、戦争の記憶のない今の世代が、国の右傾化について鈍感になりつつあることに、大きな危惧を感じております。
ところで、共産党は消費税に反対、公務員の削減に反対、というのが伝統的な主張ですが、今や日本国の債務残高は1千兆円を超え(一世帯当たり換算して5千万円)、さらに毎年30兆円以上積み増しされていくのがほぼ確実と言われる日本の国の財政状態についてどのように考えているのでしょうか。ただいたずらに、忘れたふりをして次世代に大きなつけを回すだけでは次世代に対して申し訳のない話です。 先進国の中では最悪と言われる危うい財政状態にあると言われる日本の国の財政が、万が一破綻するようなことになれば、消費税を5%上げる、10%上げる程度の話では済まない大混乱に陥ることになります。
借金を返し、福祉を充実し、国民生活を向上させるために、どう対処すべきなのか。既往政権に対する批判は批判として、国の財政運営に関する共産党なりのもう少し明確な指針、手順なりがあれば示していただきたいのです。
nakisuzumeさん、コメントありがとうございます。
返信削除不当な小選挙区制ですが、その下で政治を変えていくためにはもっと有効な選挙共闘ができないものかという気持ちは一緒です。事実、沖縄県の全選挙区では今回それが実現しています。遠くない将来、そういう共闘が広がるものと期待しております。そのためには共産党もアウェーに強くならなければと思っています。内弁慶ではいけませんね。
後段の財政破たんの心配は強く強く同感です。ほんとうに重大問題だと思います。
その中で私がこの頃強く思っていることは、税制を民主化することがほんとうに大事だということです。これは国家とは何か、国の行政(主に経済面)の本分は何かと言うことに関わることですが、富める者、余裕のある者が負担し合って弱い者を助けるということではないかと思います。大企業の優遇税制の是正というと、「そんなことを言うと海外に出ていって元も子もないぞ」という反論をよく聞きますが、・・・・全く私的な意見ですが、海外で稼ぐなら稼いでくれ、国内は里山資本主義的に穏やかな低成長で心豊かな国を造るからと言いたい気持ちになっています。多国籍企業的に出ていこうとしても無国籍企業にはなれないでしょう。やはり、万が一の時には母国の国家の助けが必要でしょう。非常に断片的な感想になりました。もっと明確な提起が大切だということも同感です。