2014年12月13日土曜日

手と足をもいだ丸太にしてかへし

  選挙期間中は政治や選挙に関するいろんな思いを綴ってきたが、本日の24時をもって投票を依頼するなどの公選法上の選挙活動が終了するので、締めの記事のテーマは何がいいだろうかと考えたが、選択に迷いは残るが「憲法、戦争と平和」にした。
 与党自民党は、選挙公約の中に憲法改正を「忍ばせている」が、メディアがほとんどこれに触れないまま選挙期間が終了しようとしているからである。
 自民党の憲法改正草案は自民党のホームページで見ることができるが、例えば憲法9条第2項(戦力不保持、国の交戦権はこれを認めない規定)は全面削除の上、「前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものでない」としている。
 続けて、第9条の2を創設して、長大な「国防軍」の規定を盛り込んでいる。
 また、第三章の国民の権利には「公益及び公の秩序」が加えられ、治安維持法並みに結社の自由さえ制限しようとし、挙句は、第九章「緊急事態」を新設して、緊急事態=戒厳令を用意する周到さである。
 株価の変動に一喜一憂しながら棄権をしたり、「とりあえずは勝ちそうな自民党」に投票することは、この改憲案を承認することになる。
 数々の世論調査でも、この草案は世論の支持を得ていない。否、反対されている内容であるが、ある種無関心に乗じて、こんな企みが進行している。
 これを止める力が、共産党の躍進にしかないというのは論を待たないと思う。
 子や孫を戦死させたくない。戦争だけはしてはならないとお思いの方々は、明日の投票日には棄権をせず、是非とも共産党に投票してほしい。

 標題の川柳は、鶴 彬(つる あきら)昭和12年の作である。後に、小林多喜二のように検挙され、10か月後に獄死している。
 鶴彬には、このほかに「屍のゐないニュース映画で勇ましい」や「胎内の動きを知るころ骨がつき」というのもある。(田辺聖子著「川柳でんでん太鼓」)
 田辺聖子さんは、その本の中で、「民衆をおとなしくさせるには、テロの恐怖が最も手早いと、当時のファシズム国家は考えていたのである」とあり、「その酸鼻な拷問の状景は、・・・私が秋田実氏にうかがったところによると、もっと物凄いのがあったそうだ。(漫才作家の秋田氏は東大在学中に、思想関係で特高に「可愛がられた」人である。秋田氏の笑いが底ふかく暖いのも、そういう地獄の季節を経てこられたせいだったからかもしれない)女性容疑者には殆んど人倫にもとるような屈辱的な拷問も行われたようだ」と書いて、そういう中での鶴彬の作品であると紹介している。
 
 先日現役時代の先輩の皆さんと飲む機会があったが、K先輩がある書籍に戦後のあれこれを投稿したところ、「MPって何?」と尋ねられたと語っておられた。
 ある意味当然のことだろう。だとすると、鶴彬を引っ張った「特高」も死語かもしれないが、それが現代社会に自民党公約で蘇ろうとしている。


  ※ 冒頭の記述のとおり、明日14日は選挙活動ができませんので、コメントされる場合は、直接的に政党や候補者への投票を依頼したり、落選を依頼?したりするコメントは、14日、1日間はご遠慮ください。そのようなコメントと判断した場合は当方で削除しますがご了承ください。

4 件のコメント:

  1. この間の連載、大変勇気づけられました。有難うございました。
    明日は祝杯を上げられる様に!

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  2.  普通の京大生であった俳句人も投獄されました。
     『戦争が廊下の奥に立ってゐた』 渡辺白泉

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  3.  そうそう、K先輩が書かれた進駐軍の時代のMPとはミリタリーポリスのことで、MPという腕章をしていました。当時の記録写真にはよく出てきます。アメリカ軍の警察・憲兵です。

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  4.  長谷やんの文筆力理論の展開力には驚かされました。「老いてますます盛ん。」とは、良い意味で長谷やんのためにあると驚嘆しています。今から嫁さんと近所の投票場に行ってきます。憲法と平和と民主主義を守るため清き一票を投票してきます。

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