2014年1月1日水曜日

いや重(し)け 吉事(よごと)

  (あらた)しき 年の始の 初春の
  今日(けふ)降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)


  天平宝字3年元旦に因幡の守の大伴家持が詠んだ歌で、4500首余りの万葉集の巻末を飾った歌。
 また家持の残した最後の歌でもある。
  雪は豊年を約束する瑞祥。それゆえ元旦の雪はさらに吉兆。
 その雪がしきりに降っているように「好いことが重なり積もれよ!」という・・・言霊信仰に裏打ちされたような、よい年(=よいこと)を切に願う祈りの歌なのだろう。
 いや、それ以上に、大濱眞幸先生は、その程度のめでたさ(の認識)ではまだまだ不十分で、「天平宝字3年は(太陰暦的な)元旦にして(太陽暦的な)立春である『歳旦立春』であったから、並の正月(のめでたさ)ではなかった。」と述べておられる。(余談ながら歳旦立春には及ばないが、今日も元旦にして新月だということを一昨日お月さまを眺めて感慨深く知った。)
 ただ、史実からいうと、このときの家持は政争の渦に揉まれた落魄の身であったはずで、これについて犬養孝先生は「人間というものは苦しいときに苦しいことを言うとは限らない。かえって楽しかった日が回想されたのだろう。」と解説されている。う~ん解る解る。(苦しいときに苦しいと言えない ええかっこしいの昔人間には。)
  そして上野誠先生になると、この「よき年を祝福する歌」に基づいて、・・・乾杯のときに『いや重(し)け!』と発声するから、『吉事(よごと)!』と答えてほしい」と・・・。・・・上野先生らしい。
  そこで、好いことを真似る(学ぶ)に躊躇はない。
  平成26年元旦、我が家は 「いや重け!」 「吉事!」 で、向かう1年を寿ぐことにした。
  同時に、皆様に向かっても、「いや重け!、        
 「・・・・・・・!(ご唱和をよろしく)

7 件のコメント:

  1. 「よごと!!」
    新しい年の始めにふさわしいブログを有難うございます。
    長谷やん一家の今年が良い年でありますよう。

    返信削除
  2. いただき物の日本酒で新年を祝いましたが思いのほか酔いがまわりました。で、昼前のご挨拶という次第。本年もよろしく、お頼の申します。

    返信削除
  3.  この乾杯の言葉は霊験あらたかで、今しがた楽しい初詣から帰ってきました。
     そのご報告は3日にアップする予定です。
     本年が皆様にとってよき年になりますように!!
     今年も軽い気持ちでコメントをお願いします。

    返信削除
  4.  お正月はお年玉は貰えませんが、一年の内で一番大好きな一日です。家族皆で初日の出を拝んで、朝7:30からお節、お雑煮、熱燗で乾杯8:30からニューイヤー駅伝最高です。この日のためにこの一年も頑張ります。お正月万歳!!今年もよろしくお願い申しあげます。!

    返信削除
  5.  元日から驚いたことは、元日の朝日新聞の『天声人語』がこの歌をキーワードに書かれていたこと。
     だがそちらは、「2014年の日本が一本調子にめでたいというわけにはいかない」として、「なんの力にもなりはしないが、せめてと思ってつぶやいてみる。いや重け吉事、いや重け吉事。」と少し悲観的である。
     その底流にアベノミクス批判があるにしても、この展望のなさは共産党と市民運動の一点共闘の広がり等を直視しないマスコミの限界だろう。

    返信削除
  6. 長谷やんの卓越した先見性と創造性は見事に具現化されています。
    今年も世間を冷厳に鋭く、生活には明るく楽しいブログをお願いします。

    返信削除
  7.  その『天声人語』の中で、西郷信綱先生が「おのが心の雪空のような落魄をもっと堂々とうたえなかったのであろうか」と辛い評を書いていると紹介していた。
     しかし私は、本文に書いたように、犬養評を支持したい。
     向かう1年のブログも、そういう気持ちで明るく楽しい欠片を探していきたいと思っている。

    返信削除