2013年12月1日日曜日

洋酒喫茶のオリーブの記憶

  遠い昔、何につけても背伸びをしたい頃、私たちが飲みに行っていたのは『洋酒喫茶』だった。ああ、なんとも懐かしい名前である。
 そのカウンターで、カクテルの名前を教えてもらったり、おつまみを教えてもらったりした。
 そのおつまみの中にオリーブの実があったが、当時は何とも変な味だと思っていた。遠い遠い昔の話である。(そういえばアブサンを飲んでひっくり返ったことも思い出す。)

 今、あまり深い訳もなく庭にオリーブの木を植えている。
 目隠し代わりの安い常緑樹ということで植えたものだ。
 だから、あまり大きくならないように乱暴に剪定したりして、放ったらかしである。
 その木に去年ぐらいから実が成りはじめた。
 本によると実を成らすためには2本以上植えなければならないそうだが、近所に植えておられる家があるので、異株で受粉したのだろう。
 数はそれ程でもないが、それでも数えてみると予想以上に多く、ざっと100粒ぐらいは収穫できた。(去年は全てそのままにして収穫していない。今思うともったいない。)
 それを、単純素朴に塩漬けにして3週間ほど経過した。

 遠い遠い記憶の味と比較してみるのだが、こちらが齢を重ねたせいか、今では全く変な味ではなく、とてもおいしく感じられた。作ってみてからわかったが、赤く色付く前の青いうちに収穫した方がそれらしく仕上がった。(写真は赤い方)
 安物の肉料理がいっぺんに引き立つ感じがする。
 安物のタスマニアビーフである。自家製の山椒の粉を少し掛けて焼いた。その上にこの自家製のオリーブを乗せて食べた。付け合せは、庭のルッコラとサラダ水菜である。
 読者の皆様は「なんと質素な食事だろう」とお笑いだろうが、我が夫婦はこれで結構満足している。

 追伸  
 孫の夏ちゃんがやって来た。
 早速、例の誰も採らないしゃしゃんぼ刈りに連れて行った。
 大喜びで7~80粒は食べた。
 古臭い、田舎くさい素朴な味だが、そういう野趣の判る娘である。
 また、爺ちゃん特製のクヌギのドングリグラッセを、「食べる~?」と見せたところ、美味しい美味しいと止まらないのでこちらが心配になった。なんと爺ちゃん孝行の孫だろう。
 孫の食べ物の嗜好はなかなかのものである。通である。
 食事時は、爺ちゃんの赤ワインに指をつけて「美味しいなあ」としゃぶっている。
 成人病になったら困るので、オリーブの塩漬けは見せていない。

0 件のコメント:

コメントを投稿