2011年6月20日月曜日

UFO

 亡くなった義父が相当一徹な堅物だったこともあり、義母は、主婦として母として、ひたすら一途に歩んできた感じの、典型的な一昔前の日本の女性である。
 だから、年老いて半ば寝たきりのようになっても、「デイサービスなんかとても馴染めないだろう」と思い込んでいたのだが、実際に行き始めると予想外の順応性を発揮し、親が子供の成長を驚くように、親の潜在能力に驚く私たち子供たちであった。
 その後、施設に入所したが、・・そして、それほど単純に何もかもが上手くいったわけではないが、それなりに新しい環境を受け入れ、リハビリの効果が目に見えて表れたような気がしている。
 先日、施設の運動会が開催されたが、休憩時間に若いスタッフがピンクレディーのUFOを歌ったとき、義母が一番前で踊りだしたのには心底驚いた。
 親の〇〇〇 子知らず とでも言おうか・・、
 心の奥底では歌や踊りが大好きだったのだ。

 それにしても・・それにしても・・  生きる力を支える唄、・・唄のもつ力の偉大さをこれほどに実感させられたことはない。
 夏目誠著「流行歌とシンドローム」(中災防新書)ではないけれど、唄の持つ薬効を少し考えてみようかと思っている。

0 件のコメント:

コメントを投稿