2011年6月8日水曜日

芝に咲いた花

 「芝生にきれいな花が咲いた」と感動して帰ってきて、確認のため田中修著「雑草のはなし」(中公新書)を開けると、そこには「シバにきれいな花が咲いた・・と思う人もいる」と書いてある。
本当はいっぱいさいている
 「と思う人もいる」・・・というこの冷笑はナンダ・・・??
 植物につよい妻は「ニワゼキショウでしょ」と即答した。
 園芸店に売られているサトイモ科のセキショウは、石に着生し菖蒲に似ているから石菖。その石菖に似て庭に生える花なので庭石菖。アヤメ科の帰化植物。
 それにしても見た目はほとんど「芝生の花」。
 高さは約10㌢。花の径は1㌢弱。
 妻に聞くと、我が家にもいっぱい芽を出すが、私が雑草と信じてセッセと抜いてしまったらしい。庭石菖さんごめんなさい。
 そういえば道端には庭石菖に限らず紫やピンクや黄色の可愛い花がいっぱい咲いているが、その場所が“区切られた花壇ではない”というた
だ一つの理由からほとんど見向きもされていない。
 高山植物として文学や歌詞や写真で褒め称えられている花の親戚であっても、それが道端や空き地に咲いていた場合は、蔑視と憎しみの対象になっている。
 彼の花たちは「この世は不条理だ」と嘆息しているのだろうか・・・それとも野原での自由を謳歌しているのだろうか。


 それにしても、見慣れた道端、見慣れた芝生に発見する花は多い。
 私は今まで何を見て生きていたのだろうか。

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