2018年1月2日火曜日

寒すずめ

 諸行は無常である。
 元日の未明にも救急車のサイレンが響いていた。
 友人のひげ親父さんのお父さんもICUに入院されている。
 そして義母の老人ホームでもインフルエンザが発生した。

 そんなもので正月だというのに老人ホームは面会謝絶になったから、何年ぶりかで元日にホームに行く必要がなくなった(行けなくなった)。
 なので珍しく元日に夫婦で「初詣に行くか」ということになり、同じなら賑やかな方がいいだろうと伏見稲荷に参りに行った。
 もちろん、「帰りにはスズメを食べよう」と決めて家を出た。

   スズメは最大供給地であった中国で輸出禁止になったとかで、1羽500円~600円と高騰していた。
 そのおかげで、出された禁猟期間明けの国産寒雀(かんすずめ)はよく太り、味も美味かった。ほんとうに美味かった。

 店員さんが皆さんに出すたびに「すべてお召し上がりください」と言っていたが、わずかな(ほんとうにわずかな)身だけを食べて骨を出す人がいるからだろうか。釈迦に説法だがスズメの丸焼きは九割方骨を食べるようなものである。
 
 私に対して「野鳥大好き人間がスズメの丸焼きを食べるか?」というご批判もあるだろうが、全国的にスズメが少なく感じられているのは丸焼きのためではない。
 主には住宅の軒先等に隙間が無くなり、巣作り・子育てが出来なくなったせいだといわれている。

 稲荷神社は名のとおり昔は稲生(いねなり)(豊作)の神様であった(山背国風土記逸文)から、伏見参りの帰りに害鳥を1羽駆除するのは習俗としても極めて合理性がある?(夏までのスズメは益鳥で秋のスズメは害鳥と人間は勝手に言っている)。
 ひるがえって、スズメの丸焼きを食べながら「何で伏見でスズメなのか?」「稲荷信仰のルーツは?」「稲荷社を創建した(上記逸文)古代からの渡来の大豪族秦(はた)氏は?」などと考えるのは目先の実用や天下国家には全く関係ないが、きっと人生を豊かにする。
 牽強付会(こじつけ)だとの声がブログの向こうから聞こえてくるようだが、正月に免じて許してほしい。

2 件のコメント:

  1. 明けましておめでとうございます。今年も長谷やんのブログ楽しませて下さい。
    歳末に京都錦市場に買い物に出た時、ウズラの焼き鳥を買って帰りました。「歯が立つか」と思いましたが何とか「食べ切り」ました。ビールより日本酒の方が合うように思いました。

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  2.  スノウさん、今年もよろしくお願いします。
     伏見稲荷ですが、相当昔はツグミを売っていましたが、明らかに密漁ということでしょうか、その後はウズラに替わりました。しかし「稲荷でウズラ」は合理的な習俗とは言えないので私は雀です。実はウズラを食べたこともあるのですが骨が固かったのでその後は止めた根性なしです。でも、丸焼きバンザイ!

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