2016年7月9日土曜日

福祉国家は夢でない

 昨日の『徒然草の遺言』の記事で、「政治が分からない」という若者に対しては、マスコミのコメンテーターには「ちょっと他人のことを想像してみよう」とひと言言って欲しいと書いたが、ほんとうにそう思っている。
 昨日も私は福祉療育病院に行ってきたが、そこには必死に頑張る子供たちがいた。
 同情して慰めてくれというのではない。
 オスプレイを買うお金があったらこの子供たちの福祉を充実してほしい。
 同じような境遇で苦労している難病患者、高齢者、等等々、そういう福祉に従事する人々・・・ちょっと想像の翼を拡げていただければ投票の大事さが解っていただけるはずだ。

   「それは分かるがお金がない」と自公政権は言う。
 しかし、消費税増税8.2兆円のうち社会保障に充てたとされているのはわずか16%、1.35兆円だ。
 消費税は大企業と大金持ちの減税に使われた。
 なので、儲かっている大企業にせめて中小企業並みの税負担をさせる、合法的脱税であるタックスヘイブンを利用した税金逃れに正当な課税をする等の税制の民主的改革をすれば財源はある。

 安倍政権は年金財源をマネーゲームにつぎ込んで5兆円以上スッたと言われているが、安倍は「財源が減れば年金を減らすのは当たり前だ」と言っている。
 また、「消費税増税の再延期をしたのだから福祉は削る」とも公言している。
 「福祉のために消費税」と言って今日に至っているのだから、「国家的詐欺だ」と言われるのも当然だ。

 マスコミはよく世代間の格差だとか利害の取りあいをいうが、昨日我が家に介護保険料の納入通知書が来たが、限られた年金から引かれる介護保険料の重さは酷いものである。
 負担を強いられているのは高齢者も同じだ。
 トランプやお維がいう「隣の移民、隣の高齢者が敵」なのでは決してない。

 さて、この先の話はそんなに難しいものではないと思う。
 税は応能負担の民主的税制にする。
 予算は福祉と勤労者の生活改善に使う。
 そうして庶民の購買力を高めて内需を拡大すれば、サミット7か国中唯一の経済マイナス成長という馬鹿みたいな政治を止めることができる。
 そういう選択、・・野党統一候補と日本共産党の躍進で、この国を福祉国家にすることも夢ではない。

 長谷川義史氏が「ちちんぷいぷい」で7月7日に、「七夕に願いを託して明後日に実らせよう」という主旨の絵を披露されていた。美しい風景画だった。

2 件のコメント:

  1.  選挙前の記事を「福祉国家の展望」で締めくくろうと思ったが、やっぱり付け加えておくべきことが発生した。
     6月30日の「朝ドラだけが平和主義」で「とと姉ちゃん」たちが「誰かに監視されている」と怯える戦時下のリアルを書いたが、つい先日自民党が「教育の中立性の実態調査」と称してネットで民主的な教員を密告するよう奨励した。
     即刻の抗議の声の前にネット上から消えたらしいが記録はきっちりと残っている。(フェースブックやツィッター参照)
     自民党憲法改悪案の性根が見えた。
     やっていることは北朝鮮と変わらない。70数年前の軍国主義の日本帝国と変わらない。
     彼らの党名こそが「大嘘」だ。自由と民主主義を愛するならば自公政権と追随するお維は絶対に許してはならないと思う。

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  2.  テレビはよく「各党ともバラ色の政策を掲げるも財源の議論が乏しく有権者は戸惑うだけ」といったようなコメントを嫌というほど繰り返します。「消費税に頼らない道、税制の民主的改革」を誠実に報じようとしません。それはなぜか?
     詰まるところ、新聞各社もテレビ各社も自身がれっきとした大企業です。そしてスポンサー、広告主の基本部分も大企業です。で、「大企業にも中小企業並みの税(率)負担を!」という当然すぎるほど当然な議論をあえてスルーする訳です。
     こういう当たり前の常識を再確認することも大事でしょう。

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