2025年5月26日月曜日

ヤミ金心中事件

    524日にNHKの【新プロジェクトX】「ヤミ金融を撲滅せよ・八尾心中事件と雑草弁護士の闘い」を見た。
 2003年にJR大和路線の八尾の踏切で、3人の男女が電車に飛び込み自殺した。
 亡くなったのは、69歳の主婦とその夫(61歳)、そして主婦の兄(81歳)の3人で、夫と兄には障害があった。
 きっかけは、主婦が親族の医療費の支払いのために借りた15000円だったが、そのほんのわずかな金額に毎週15000円という異常に高い利息を求められ、借金は雪だるま式にすぐに30万円に膨らみ、しかも完済させてもらえなかった。
 そうなるとすぐに取り立ての電話や訪問が始まり、自宅に何度も電話がかかってきただけでなく職場にも執拗に連絡が入り、さらには友人宅や親戚にまで電話がかかってきて近所の住民にまで訪問や連絡が及び、主婦が残した遺書には、「逃げ場がない」「もう誰にも迷惑をかけられない」という言葉が記されていた。
 被害者は高齢だったこともあり、体力的にも精神的にも限界だったし、金融業者からの脅しや侮辱的な言葉を受けていたと遺書に書かれていた。
 そういう社会的信用の崩壊に耐えられなかったという要因が重なり、3人は最後に命を絶つという道を選んだ。
 番組はこれらに立ち向かった雑草のような弁護士の努力の物語になるのだがそれは略す。
 たしかに「どうしてヤミ金なんかに手を出したの」というお説教はできるかもしれないが、それでも人の命まで奪ってよいことはない。
 そしてその時代、ヤミ金ではないサラ金や商工ローンというのも五十歩百歩のことをしていた。「腎臓売ってこんかい」という脅しなどに差はなかったようだ。
 私は、サラ金や商工ローンの顧問弁護士をしていた大阪府の元知事や現知事の顔を思い浮かべた。
 
 片棒を 担いだ男は 笑ってる

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