東大寺二月堂修二会もいよいよ佳境で、13日の1時半ごろに若狭井という井戸から観音様にお供えするお香水(おこうずい)を汲む行があるので、俗にこの行をお水取りと呼ばれている。 11日の昼間に二月堂に参拝してきたことは昨日書いたが、そこで見た「余聞」を少しメモっておく。
第1の写真は調理のような様子だが、食堂の横の建物なので何かわからない。ただ、お松明以外にも多くの仕事によってこの行が支えられているのだということが感じられた。 第2の写真は籠りの僧のための食堂の前。調理で残った「残飯」はこのように鹿に施されている。
第3の写真は若狭井。お水取り本番まではこのように新鮮な木々で囲われているが、鹿にとってはこれも御馳走。 奈良の鹿は春日の神のお使いなのだが、見たところは大仏様のお供という方が当たっているかもしれない。
修二会では練行衆の食事の後、分けてとっておいたご飯を紙に包んで屋根に投げるが、カラスや生き物への施しだ。
返信削除また練行衆が毎日二月堂から下堂するときには「手水(ちょうず)手水」と言いながら下堂するのは、その間に天狗が二月堂に来て悪さをしないよう「手水に行くだけだ。すぐに帰ってくるぞ」と天狗に聞かせているためだ。
そもそも練行衆の中には呪師という重要な役職もあるように、見事な神仏習合の作法が一貫しているのも実に楽しい。