2020年11月27日金曜日

天網恢恢疎にして漏らさず

   報じられているところによれば「黒川氏がいれば、こんな面倒なことにはならなかったと思うよ。今になって黒川氏の存在がいかに大きなものだったのか痛感するね。菅首相だって黒川氏に頼って政権運営してきた。心配でたまらないと思うな」ある自民党幹部のつぶやきだそうだ。

「#検察庁法改正案に抗議します」のツイッターデモが盛り上がった当時、「一般人は知らないだろうが検察官も公務員だから国家公務員法の規定に沿って定年延長されただけだよ」と訳知り顔で「お説教」を垂れたコメンテーターのなんと多いことか。(国公法援用論はそもそも誤り)

しかし、あの人事が底なしの職権乱用の悪だくみであったことは天下に証明された。

さて今度は、学術会議会員任命拒否問題で評論家の佐藤優氏が「赤旗が任命拒否をスクープしたため菅首相が引っ込みがつかなくなった」「赤旗のスクープが無ければ丸く収まった」と、任命拒否に至る事実経過を無視して、原因と結果を入れ替えるトランプ並みのフェイクを文芸春秋に投稿をした。

その議論の前提は橋下徹氏がテレビで広めた「一般人は知らないだろうが、首相の業務は大量にあるから補佐官が勝手にやったのだ」という論であろう。これについては1013日のこのブログ記事で「公務の世界ならずとも実質的専決があるのは周知の事実であるが、間違いがあれば本来の決裁者が責任をとるのが組織の掟だ」と私は書いた。佐藤優氏にしても橋下徹氏にしても、検察庁法の際のコメンテーターと同じムジナの穴から発した同種の主張である。一般人はもうみんな知っているのだ。

「桜を見る会」では公設秘書らは必ずこう言うだろう「安倍晋三先生には迷惑が掛からないよう全く報告せずに秘書たち一存でやったことでございます」と。

しかし、チコちゃんならずも一般人は知っている。そして、横山ホットラザーズに倣ってこう言うぞ「おまえはあほか」。

政治資金規正法違反(虚偽記載)、公選法違反(買収)は明らかだが、内閣総理大臣が国権の最高機関たる国会に嘘を連発した罪は何としよう。その政権を支えた公明党の罪は何としよう。閻魔さんは知っているぞ。

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