前回は古事記を援用したので気分的に納得し難い方もあったことだろう。
そこで今日は考古学的な物証として紀元前2世紀の馬王堆漢墓出土の帛画の写真を掲載する。
いうまでもなく東アジアの思想の基底を為す道教の信仰が表されていて、太陽の使い乃至太陽の化身は向かって右肩のカラスである。ちなみに月は左肩のヒキガエル。この図は古代中国の遺跡・遺物には数多く存在する。
これは藤原宮、平城宮の幡にも引き継がれ、何本かの幡の中央はカラスのそれである。
現在はカラスの三本足の方に目がいって、サッカー日本代表のマーク等として有名になっている。
とまれ、カラスを含む鳥が太陽神乃至太陽神の使いと信じられていたことは疑いの余地がない。
その論理構築の理由は諸説あるが、① 人間には到底真似のできない飛翔能力への畏敬、② 渡り鳥がいなくなる季節は「あの世」に行っているという考え、③ あの世(神仙界)への道先案内、④ 死者の魂が次の肉体に到達する間の魂そのもの・・等々と想像したと考えられる。
三本足の烏を日本チームのエンブレムにすることに反対ではない。だがしかし、三本足の烏は大陸に生まれて成長した思想であることは知っておく必要がある。それが教養であり文化というものである。
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