河内春人著『倭の五王』(中公新書)をようやく読んだ。
私は複数の本を並行して読む癖がある。
その場合、難しい本と楽しい本は読むのが遅くなる。
楽しい本が何故遅くなるかと言えば、早く読み終えるのが惜しいからで、わざと何度も休憩を入れてゆっくり読む。
で、この本だが、結論的には楽しくもあるが難しいことの方が主たる理由で遅くなった。
多方面から定説とされている考えを批判する場面は楽しかったが、その先が十分見えてこないので少しイライラしたまま読み終えた。
さて、宋書倭国伝にいう倭の五王は5世紀のことである。
考古学的には古市古墳群、百舌鳥古墳群に巨大前方後円墳を築いた大王の時代である。
そしてその直後に現れたのが継体天皇で、そこには「新王朝ではないか」というような変化があった。
その継体天皇に繋がるその後の王朝が記紀を編纂したことになる。
となると「継体天皇はどこの馬の骨か分からないようなことはない立派な正統派だ」というために記紀は歴史をいろいろ改竄したのではないかという疑いがでる。
どう読んでも宋書と記紀は整合しない。(宋書や朝鮮半島三国の歴史書にもいろいろあるが)
その改竄された記紀等の史料をあれこれ読み直しても矛盾は解けない。
考えるうちに「文書の改竄というのは極刑に値しないか」と腹が立ってきた。
主犯は藤原不比等かもしれないがそこの究明は後日。
というイライラを抱きつつ本を閉じた。
テレビや新聞が、21世紀の記録改竄を伝えている。
記録改竄は極刑に値するぞ!とむらむらと湧いてくる怒りをどうしよう。
4月に真の継体天皇陵と言われる今城塚古墳に遠足に行くが、続きはその古墳上ででも考えることにする。
春雷よ事実葬る者を打て
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