2018年3月15日木曜日

火曜サスペンス劇場にはならない

   マスコミの論調に少し歯ぎしりしている。
 佐川を国会に呼ぶことに反対ではないが、真実はもう既に明らかではないか、と私は思う。
 財務省の「証拠」の改竄は佐川答弁以前に始まっている。
 つまり、『悪いのは財務省だ、身内である佐川を守るために財務省が改竄したんだ』というシナリオで逃げ通したい人たちがいるが、そのへ理屈は成り立たない。
 あるいは、佐川以外の財務省の「省益」のために財務省が不正を働く必要性も、少なくとも出発時点では存在していない。
 その種の論調はものごとの本質を覆い隠す陽動作戦に乗せられていないか。

 佐川の偽証責任を償わせる価値は解るが、マスコミは理性ある主張をはっきりとすべきときではないのか。佐川は主犯でないと。
 佐川が「安倍夫婦の横車に耐え切れず実行しました」と言わない限り証拠は「ない」というなら、ジャーナリズムの良識はどうなる。
 岸壁の断崖絶壁で「実は、かくかくしかじか」と語るのは火曜サスペンス劇場だけだろう。

 火曜サスペンス劇場のレベルでも、本格的やくざの脅迫事件を想像してほしい。
 私の知るレベルでは、本格的ヤクザは決して「俺の要求を拒むとは、おまえ命が惜しくないのか」などと脅迫しない。しかし、交渉ごとのほっとした行間に「お嬢様は何処そこの学校の何年何組ですね」とポロッと言う。
 これは文章にしたら何の脅迫もしていないように見える。しかし被害者が血の気の引くのを感じたであろうことは想像がつく。
 改竄前決裁文書にはその「恐怖」が「奴隷の言葉」で書かれているではないか。
 それが理解できないなら義務教育の国語をやり直しなさい。

 籠池理事長が「昭恵夫人が名誉校長になる」ことを盛んに強調し、「ここまで来て建設・開校が中止にでもなれば・・」と言い、夫人付け秘書官が本省に「問い合わせ」に赴き、そうなれば当然本省から「夫人付け秘書官から問い合わせがあったがその件はどうなっている」と近畿財務局に聞いてくる。
 これで近畿財務局は震えあがったのではないか。それぐらいで震えあがるのが悪いと言うのは世間知らずである。
 先人はこういうことになるから「李下に冠を正さず」と戒めたのである。

 事実、籠池理事長に言わせると、2015年秋、夫人付け谷秘書官が財務省に問い合わせ、理事長が昭恵夫人とも電話をよくしていた頃から神風が怒涛の如く吹き始め、ぐっぐっと動いているという感覚があった(2017.7.31朝日インタビュー記事)と正直に述べている。

 国公一般のブログで谷秘書官の出身官庁の労働組合である全経済産業省労働組合の飯塚副委員長は、「あれだけの改竄前文書の中に谷秘書官の問い合わせが一切文書に出てきていないのは余りに不自然」「一番肝心の文書だけはまだ徹底して隠していると考えざるを得ない」と指摘していることに留意する必要がある。
 あれだけ嘘を通してきた財務省が「これだけです」というのをほんとうに信じてよいのか。

 次いで、麻生の辞任を求めるのも反対ではないが、以上と同じトーンでものごとを考えると、麻生も決して主犯ではないのではないか。
 威張りかえって人を見下す「傲岸不遜の」麻生副総理の姿がテレビに映るたびに私は思うのだが、あの「辞任は考えていない」という言葉は単なる空元気ではなく、彼は腹の底からそう思っているように私には見える。この評価は間違っているかもしれないが・・、

 つまり彼は「これは俺の事案じゃないよ」「安倍事案で何で俺が辞めなくちゃならないの」と信じていると思えるのだがどうだろう。

 私は佐川も麻生も見逃せと言っているのではない。
 言いたいことは、これまでの状況証拠で安倍夫婦が主犯であることは明らかでないかということである。
 焦点は一つ、昭恵夫人を証人喚問せよ!
 このことを強調しないと、佐川だ財務省だ麻生だなどと言っているうちに本質を見失うような気がしてならない。

2 件のコメント:

  1.  国交省は改竄後文書と異なる文書を5日に官邸に報告した。菅は6日に報告を受けたと言う。安倍は参院予算委員会で「11日に報告を受けた」と言った。
     今さらながらだが、安倍の発言は徹頭徹尾信用ならない。

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  2.  田中龍作ジャーナル3月15日15:39の情報によると、財務省本省の佐川答弁の実務担当者が1月29日に自殺していたそうだ。悲しくかつ腹立たしい。国公労働運動に関わった人たちが即座に声をあげてほしいものだ。公務員労働者を守れ!公務員労働者は仲間と労働組合を大切にしよう。

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